コラムNO.5 3500字
こんにちは、pianonaiqです。
新サイトへの移行に伴い、レイアウトなどあれこれ試行錯誤していましたが、最近ようやくその作業が落ち着き記事のテンプレートみたいなものが定まってきたかなという感じです。
こんな感じで、作品記事のタイトル頭に短文で作品を強くアピールし読者の興味を引くような文言を入れる、というのもそうしたテンプレートの一構成要素として今後も継続していこうかなと考えています(タイトルに関してはこちらで詳しく述べています)。
伝説の大仕掛けアニメ、というと皆さん何を連想されるのだろう…
— pianonaiq (@PIANONAIQ) May 8, 2020
で、今回の記事タイトルにある「伝説の大仕掛けアニメ」というのも、ある作品の紹介記事を書こうと考えている時に浮かんだものなのですが、ツイッターで上のように呟いたところ、ありがたいことに興味深いリプを幾つかいただけたので、その辺について前回のコラム記事「アニメの銀髪ヒロインについて」と同じような感じで、纏めてみようかと思います。
まずはリプなどで名前の挙がった作品を全てリストアップしてみます。
- うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
- シュタインズゲート
- 少女革命ウテナ
- 輪るピングドラム
- SAO
- 進撃の巨人
- こーやのあろん
- Another
- アイドルマスター
- 魔法少女まどか☆マギカ
- らき☆すた
- ポプテピピック
- 勇者特急マイトガイン
- 涼宮ハルヒの憂鬱
- 喰霊-零-
- 奏光のストレイン
- がくえんゆーとぴあ まなびストレート!
- 天地無用!
- 桃華月譚
だいたいこんな感じですが、私が想定した作品の名をドンピシャで挙げて下さった方もいて、「そこまで的をはずしてはないな」と少し安心しました。(笑)
じゃあ、上記の作品の中で「伝説の大仕掛けアニメ」といわれてしっくりくる作品は何か?といった時に、「伝説の」がつくことでまずかなりハードルが上がるので果たしてそれに見合う作品か?というあたり、それからあとは「大仕掛け」という言葉が意味するニュアンスをどう考えるかでしっくりくる度合いが変わってくるのだろうなあ、なんて思うわけです。
例えば、
「涼宮ハルヒの憂鬱 エンドレスエイト」と、その元ネタともいえそうな「ビューティフルドリーマー」を比較するとわかりやすいのですが、後者の場合は物語的にネタバレを踏むとかなりまずいような驚くべき展開や設定を含んでいる、のに対し前者はそれに似た設定を物語内に含みつつそれが物語の外部にも踏み込んだ見せ方になっている、言い換えれば、放送自体にギミック的仕掛けを含んでいる、といった感じでしょうか。
「あの作品はあっとおどろく展開があるし、よくできた物語だ」なんて具合に純粋な物語の質の高さを評価できるのが「ビューティフルドリーマー」だとしたら、エンドレスエイトの場合は「同じ話を8回連続繰り返すなんて前代未聞でとんでもない試みだ」となって、それは純粋な物語評価とは別の評価になりますよね。
「涼宮ハルヒの憂鬱」の2006版に関しては、放送順シャッフルというある意味エンドレスエイトにも近い大胆な放送ギミック的手法を導入しつつ、それがしっかり物語の質を高めることにもつながっているのが凄いですし、今更な話ですが、これが本作が一世を風靡した理由としても大きいのではないかなと(エンドレスエイトはギミックが物語の出来に還元されなかったので批判を多く生んでしまったと…)。
ただ、
ハルヒ2006年版みたいなアニメはめったにない本当に稀有な成功例であって、基本的に放送ギミック的手法というのは物語の質とは疎遠なところにあり、むしろその質を貶めかねないリスクの方が大きいという印象も個人的にはあります。
「大仕掛け」という言葉は、ですから私の中では作品の巧さや物語の質の高さの根幹にある物語的仕掛けを讃えるものというよりは、このような(どちらかというとマイナスイメージの漂う)放送ギミック的手法を指す言葉としてのニュアンスが強い感じです。
以上の話を踏まえてリストアップした作品群についてあらためて考えると、
- ビューティフル・ドリーマー
- シュタインズゲート
- 少女革命ウテナ
- 輪るピングドラム
- SAO
- 進撃の巨人
- アイドルマスター
- 魔法少女まどか☆マギカ
このあたりの作品は、もちろん評価の高低はありますが、「物語の質を高める(斬新で)巧妙な仕掛けを含んだ作品」という捉え方になってくるのかなと(「ウテナ」や「まどマギ」に関しては、その肌合いから他の作品よりは「仕掛け」という言葉をより強く感じる作風であるようには思えますが)。
- こーやのあろん
- Another
- 喰霊-零-
- 奏光のストレイン
対して、このあたりの作品は、度合いの差こそあれ「放送ギミックめいた側面を持つ作品」になるのかなと(「Another」「奏光のストレイン」は未見で、聞いた話を頼りに勝手に推測しているので的外れな意見になっていたらすいません)。
ちなみに、「伝説の大仕掛けアニメ」として私が想定したのは「喰霊-零-」(2008年/監督:あおきえい)のことでした。
この作品の大きな特徴である「回想に大きな尺を費やす時系列入れ替え的な見せ方」に関しては物語の質を高める仕掛けとして捉えられることもできそうですが、同時にもうひとつ大胆な仕掛けも含んでおり、こちらが私には「伝説の」「大仕掛け」として非常にしっくりきた、ということなんですよね。
ネタバレは控えますので、興味のある方は是非見てみて下さい(いつか記事も書こうとは思ってますが)。大胆な仕掛けに象徴されるサプライズ要素も作品の顔として魅力ですが、物語の芯がしっかりしているからこそ今尚度々名前が挙がり語り継がれているのだと思える見ごたえある秀作です。
「ポプテピピック」なんかはどうなんでしょう、全てしっかり見たわけではないので滅多なことは言えませんが、あまり良い印象のない悪ふざけ的仕掛け、という印象が強いでしょうか……(笑)
- 勇者特急マイトガイン
- がくえんゆーとぴあ まなびストレート!
- 天地無用!
- 桃華月譚
このあたりは未見なのですが、今回凄く興味を持った作品ですね。
ただ、wikiなどで調べようにも、「勇者特急マイトガイン」なんかはどんでん返し展開があるそうなのでネタバレを踏むのが怖くてできない(笑)、というのもあるんですが、機会があれば見てみたいと思います。
執筆者 : PIANONAIQ (@PIANONAIQ)
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