音楽の力が描く軌跡と奇跡の物語:『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』(2010) レヴュー/作品紹介〈ネタバレなし〉/特別対談(17000字)【ゲスト記事】

10年代
10年代 名作 1クール ゲスト記事

作品NO.43 8500字対談:17000字


<1クール> の  傑作>名作  


ジャンル/要素 ドラマ・日常・ミリタリー・青春・音楽・戦争


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「誰かが、もう世界は終わりだと言っていました。でも、私たちは楽しく暮らしています。第1121号要塞。この、時告げ砦で」

 

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Takashi
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※ 記事最後に本記事、作品についての特別対談もありますので宜しければ

※旧サイト記事(初投稿:2018/04/05)

 

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ソ・ラ・ノ・ヲ・ト(全12話)
打ち捨てられた廃墟で、迷子になった少女は、ひとりの女性兵士に出会いました。兵士の手には金色に輝くトランペット。「軍人さんになれば、トランペットが吹けるんだ!」ちょっとした勘違いをしたまま、少女は喇叭手に憧れ、軍への入隊を決意します。カナタ、15歳――。カナタが配属されたのは、セーズという街にある小さな駐留部隊・第112...

 

 

 

 作品NO.43 『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』

 評価・採点(簡易版)

  1クール> の  傑作>名作 

※指標:90(めちゃくちゃ良い)>75(良い)>50(2流)

世界観:95 脚本/構成:90 演出:95

キャラ:90  演技(声優):85

引き:75 劇伴:100 作画:90

Ave. 90

ネタバレ厳禁度:★★★☆☆

詳しくはこちら

 作品データ/スタッフ/キャスト

 

2010年 1月 ~ 3月

テレビ東京、他

全12話 + OVA2話

アニメオリジナル作品

放送枠:アニメノチカラプロジェクト

 

監督:神戸守

シリーズ構成:吉野弘幸

キャラクター原案:岸田メル

キャラクターデザイン:赤井俊文

音楽:大島ミチル

アニメーション制作:A-1Pictures

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カナタ:金元寿子

リオ:小林ゆう

クレハ:喜多村英梨

ノエル:悠木碧

フィリシア:遠藤綾

 

 見どころ

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「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」は、テレビ東京とアニプレックスが展開したオリジナルアニメプロジェクト「アニメノチカラ」の第一弾作品で、2010年1月から3月までテレビ東京系にて全12話が放送されたアニメです。

 

 それは近くて遠い未来長い大戦によって人が減り、魚も海に住めなくなるようなゆるやかに衰退していく世界。しかし、そんな世界でも空には太陽が昇り、金色の楽器の音色が今日も街に響き渡ります。15歳の空深カナタは小さい頃に出逢った音楽を習うべく、軍に入隊を志願して仲間との日々が始まります。

 

空深カナタ(cv:金元寿子)

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 作品の魅力

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ソ・ラ・ノ・ヲ・トの魅力は何といっても総合力の高さ多彩な視座を持つところです。

 

 退廃した世界を美しく再現する映像美、どんな世界であっても元気に生きている人たちの日常と、その裏でドラマ性を感じさせる筋の通ったシリーズ構成、多くの人の考察を呼び込む現代と地続きある歴史と地政学のある世界観など、観るものを自然と作品の世界へと引き込む魅力があります。

 

また、多脚戦車をベースとしたユニーク且つ淘汰され混同されてきている世界観を踏襲したミリタリー設定、キャラクターの息づく様を感じる独特の間とそれに寄り添った撮影カット、アメイジンググレイスを物語のキーとし現代との地続き感とファンタジーを融合した作風のオリジナリティーもあります。

 

さらには、まるで吟遊詩人が詩譚を紡ぎ出すかのようなドラマ性と世界描写に優れた音楽、今をときめく豪華声優キャストが集結して彼女らが体当たりで演じ彩られてきたキャラクターたちと、ミリタリーファン・制作ファン・音楽ファンや声優ファンにとっても充実した作品となっています。

 

 

日常アニメとしても楽しめるので、自由な時に好きな話数を観返したり、人間賛歌の叙事詩としてどっぷり世界に没入したり、家族で観るアニメとしてリビングで子どもやパートナーとゆっくり鑑賞したり、人生に迷ったとき欲しい言葉を探したり……と、わたしたちの生活に寄り添うことが出来る作品です。

 

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 映像美

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 オリジナルアニメーションとして大戦(大断絶)後の荒廃し緩やかに滅亡へと向かう世界観を表現するため、スペインにある世界遺産の都市クエンカを舞台のモデルに選んでいます。

 

クエンカは美しい古都で、「歴史的城塞都市クエンカ」としてユネスコの世界遺産に登録されています。それを徹底的な取材と歴史考証に基づく細かい美術設定により、リアルな生活感を背景に描く静かで美しい映像が1話から最終話まで淡々と描かれます。

 

歴史的城塞都市・クエンカ

ソ・ラ・ノ・ヲ・トは美しい背景美術も魅力

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 シリーズ構成・脚本

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 本作を担当した吉野弘幸は「機動戦士ガンダムSEED」シリーズや「終末のイゼッタ」といった作品など多くの作品をこれまでに手がけてきていますが、今作ではオリジナル作品ということで、辺境の忘れ去られることもある国境警備隊、第1121小隊の所属する要塞、通称「時告げ砦」を舞台に設定しました。

 

退廃した世界の中で軍に所属する少女たちの日常を描くことに注視しているので、戦闘や戦争に関する描写は最小限に抑えられ、そういった密かな緊張感の中でも世界は感ずる心のままにある、といったことを主人公の空深カナタを中心としたキャラクターの視点から描き出しています。

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 世界観

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現在の世界と地続きで西暦2250年頃の世界と設定されており、過去の世界をイデア世界とし、文献などの文字はイデア文字(日本語)が使用されていたとしています。現在第1121小隊の駐屯する水とガラスの街セーズにおいて使用されている文字はフランス語が使用されています。

 

過去の遺物(兵器などのシステム)は英語表現をされることがありますが、敵対するローマ軍はドイツ語を使用しているなど、過去にあった大戦によって文化文明の淘汰や混在されている様子も描かれます

 

わたしたちから見れば文化的な混乱がある世界ではあっても、当のセーズの街の人たちは元気に生きています。物語の中で街の人たちとの関わりや生き方が描かれる場面がありますが、

ソ・ラ・ノ・ヲ・トという作品世界の巧妙さは歴史を鳥瞰するマクロな視点と、主人公たちだけでなく1人の街人の人生を描くようなミクロな視点を短い1クールの中に表現しきっているところにあります。

 

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 ミリタリー設定

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 第1121小隊はピンクの兵科章の戦車小隊として、戦車長、砲手、操縦士、通信手で構成されています。

 

小隊長のフィリシア・ハイデマン少尉を中心に、喇叭手(ラッパ)兼通信手の和宮リオ曹長、整備士兼操縦士の寒凪ノエル伍長、砲手の墨埜谷クレハ二等兵、喇叭手兼通信手兼装填手空深カナタ(二等兵)が隊員として物語を動かしていきます。

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

 また多脚戦車が世界の主流であり、過去の時代に造られたタケミカヅチ技術結晶の最高峰とし、そこに追いつこうとする技術展開において造られた多くのオリジナル多脚戦車が複数存在しているので、最終話にて目撃することも楽しみにできると思います。

 

過去に造られし超兵器、多脚戦車「タケミカヅチ」

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

 なお技術力の復興は軍事力を中心に行われているので、一般市民生活は20世紀初頭がイメージされています。その他軍服や階級章武具や砦内の備品などについて考察を重ねていくのも面白いのではないでしょうか。

 

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 キャラクターと声優

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©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

カナタ(CV.金元寿子)〔図手前左〕、リオ(CV.小林ゆう)〔図左〕、クレハ(CV.喜多村英梨)〔図右〕、ノエル(CV.悠木碧)〔図手前右〕、フィリシア(CV.遠藤綾)〔図奥中央〕がメインキャラクターとして物語が紡がれていきます。

 

トランペットに憧れて、喇叭手になろうと新人のカナタが軍(第1121小隊に配属)に入隊したところから始まります。この作品で本格デビューとなった金元寿子にとっても思い入れの深い作品であるようで、最近のインタビューでも話題に取り上げています。

 

 

 彼女らは脚本の妙も相まって、作られた言葉ではなく、そこにある言葉と自分の言葉によって常にお喋りをしたり対話を行っています。このことは声優陣に質の高さを要求することになりますが、各キャラクターの個性があぶり出され、より確かな実在感がそこに生み出されています。

 

もちろん、金元の明るくのびやかな声、小林の演技、喜多村のアクセントある表現、ボクっ子としての悠木、包容力と安定感ある遠藤など、声優個人に焦点をあてても楽しめると思います。

 

 注目話数

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 日常ものとして、視聴者の方が何を求めるかによって注目の話数は異なります。なのでここでは、ドラマの転換点である第10話を取り上げます。

 

第10話は、これまで描かれてきたどこか緊張感がありつつも緩やかな日常からいよいよ脱却し、終盤に向けて物語が大きく動き始める話数です。

 

注目話数としているポイントは2つあります。

 

 一つ目は今までさりげなく伏線的に描かれてきた事柄が、いよいよ本筋となってつながりを見せ、最終話へ向けてつながりを持って行くところです。

 

1〜3話キャラクターや作品の紹介話数、4話〜7話は紹介も含みつつ、世界観と歴史の共有話数8話頃から日常を中心としつつも政治情勢について少しずつ描かれていき、この10話ではそれらを前提とした「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の物語が初めて展開されていきます

 

日常系アニメとして1話ないし3話切りを考えている視聴者の方は先にこの10話のBパートを観てみるのもよいかもしれません。ただし、ネタバレもありますので悪しからず。

 

この話数以降事態はセーズの街を越えてきな臭くなり、最終話ではミリタリーの設定が活かされる形となっていきます。

 

 ポイント二つ目は、「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」というタイトルを言葉でなく実感できる場面があるからです。これも最終話まで観るとより納得のいくものになっていくのではないかと思います。

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 制作スタッフ

 

【監督:神戸守×シリーズ構成・脚本:吉野弘幸】

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 監督の神戸守は「風の谷のナウシカ」でアニメの制作進行でデビューし、様々な種類の作品を手がけてきました。近年では2004年「エルフェンリート」を監督し、世界中からファンを獲得したことなども有名です。

 

 

 シリーズ構成・脚本の吉野弘幸は戦争物を多く扱う脚本家であり、1クールの中に日常ものをベースにした歴史ものを作り上げるという点において優れているように思われます。

 

未回収の設定もそれなりにあるがゆえに雰囲気アニメとして捉えられることもありますが、ソ・ラ・ノ・ヲ・トがオリジナルアニメーションとして何を表現したかったのか、という点について神戸守と相性よく展開できたのではないでしょうか。

 

 

アニメで描ききれなかった部分についてはコミカライズの漫画版「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」(著:神馬耶樹)でも補完されています。この作品を好きになった方はこの漫画版も読んでいただくと、彼女らの心情変化や舞台裏を体験することができます。

 

漫画版「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」

 

【岸田メル×赤井俊文】

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 また、キャラクター方面に目を向けると、原案にイラストレーターとして知らない人はいないであろう岸田メル、キャラクターデザインには「マギ」や「アイドルマスター」シリーズなどで活躍し、近年ではポーター・ロビンソンのMVを監督制作したことで有名な赤井俊文を迎えています。

 

赤井岸田透明感ある女の子の本質を大切にしながら、自身が尊敬している堀口悠紀子(「k-on!」キャラクターデザイン)のエッセンスをもって丁寧且つ謙虚に描いていますが、時流の流れも相まって放映当時はk-on!のパクリと揶揄もされました。しかし、その生き生きした表情や実在感あるキャラクターデザインによって、物語に生気を与えていることは確かにいえるのではないでしょうか。

 

 

 

【大島ミチル×フランス録音】

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大島ミチルはドラマ・映画・アニメと幅広く音楽を手がける日本でも有数の作曲家であり、「ショムニ」や「天地人」、アニメでは「リトルウィッチアカデミア」など様々な作品を手がけています。本作「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」でも音楽を手がけており、東京とフランスを往復して音楽制作を行っていました。

 

作中によく描かれるトランペットはフランスナショナルフィルの名手の演奏でもあり、オーケストラは親交の深いフランスでの録音がされています。作中印象的に歌われる挿入歌もフランスのギタリストによって作られています。神戸守監督の意向により無国籍音楽で少人数編成のオーケストラで録音がされ、作品に色を添えています。音楽のもつ色に気持ちを傾けてみることもよいでしょう。

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

【Kalafina×戸松遥】

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 OPテーマである「光の旋律」は、梶浦由記がプロデュースすることでも有名なKalafinaが担当しており、その世界表現に一躍を買っています。 

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

 またEDテーマ「Girs, Be Ambitious」は、作中でもマリアという役を担っている戸松遥が歌い、壮大な世界観の中において、乙女の夢をとてもポップな曲調で明るく表現しています。

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 作品を観るには

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ニコニコ・チャンネル

Amazonビデオ

ビデオマーケット

TSUTAYA TV

バンダイチャンネル

dアニメストア

 

 

なおDAMのカラオケ「光の旋律」にはアニメの3話までを編集した映像が収録されています。

 

 

 最後に

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 冒頭でも書かせていただいたように、ソ・ラ・ノ・ヲ・トは非常に多彩な視座を持っているため、視聴者なりの色々な見方ができる作品です。

 

筆者であるわたしは、DAMの映像で作品を知って視聴を開始しました。全話通して観た初見時の感想は、「音楽のもつ言葉とその力」です。「わたしのソ・ラ・ノ・ヲ・ト」は「音楽」とともにありました。

 

しかし、ソラヲフというファン同士の交流オフ会を持つことによって、実に様々な視点があるのだなと感慨深く思うに至りました。ある人はキャラクター、ある人は世界観、ある人は喇叭手の物語、ある人は声優など。

 

今回記事を書かせていただいた上で今までに交流をしてきた人たちの言葉を思い返しました。そんなとき自然とカナタの言葉が蘇ります。

 

 

「音は響いて、そして伝わる」

 

 

みなさんの生活においても「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」という作品が何かに寄り添っていってほしいなと思います。

 

 

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 炎の乙女の祝福がありますように…

 

 評価・採点

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 作品評価 

 傑作>名作 


 傑作   絶対観た方がよい作品 
 名作   観るべき、マストではずせない作品 
 良作    観た方がよい(がマスト!とは言い辛いかもという)作品
 佳作   時間があるなら是非観ることを勧めたい作品 
  水準作    普通だが見どころは(十分)ある作品

 凡作   酷いが全否定ではない、どこか残念な作品 
  失敗作    ほぼ全否定、何とも残念な作品 

 傑作・名作   傑作と名作の中間(ただしカテゴリは名作とする)
 傑作>名作   傑作寄り(同上)
 傑作<名作   名作寄り(同上)

※惜作    名作になりえた惜しい作品
※超神回 ずば抜けて素晴らしい名作回がある作品

 

作品評価順リスト(=「見て損はない作品」ランキング )はこちら

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 レーダーチャート評価

 

世界観:95 脚本/構成:90 演出:95

キャラ:90  演技(声優):85

引き:75 劇伴:100 作画:90

Ave. 90


100 唯一無二、これ以上はそうそう望めない最高峰
95   最高、傑作レベル、文句なし、その作品にとってなくてはならない
90   めちゃくちゃ良い、名作レベル
85
80   かなり良い、良作レベル
75   良い
70   なかなか良い、佳作レベル
65
60   普通、水準作レベル、少々物足りないが及第点は出せる
50   凡作レベル、2流
30  失敗作レベル、3流  

 

・ 各パラメータが含むもの、点数の付け方など、詳しくはこちら
Ave.と作品評価は別、つまりAve.が75でも  名作  にすることは可能
・ これまで扱った全作品の採点等は作品評価順リストの方に纏めています

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ネタバレ厳禁度

 

★★★☆☆

 

少し注意。ネタバレによって面白さ・衝撃度が少し低減する可能性あり

 

 関連商品

※本項のみpianonaiqが担当

円盤

 

 

pianonaiq
pianonaiq

国内版のブルーレイだと今のところはこの全7巻セットのみという感じなんですかね。値段は5万を超えてるので、ワンクールアニメとしては少々高額な印象ですが、特典には惹かれる作品なので悩ましいですね…。

 

Takashi
Takashi

国内版の円盤を集めるのは2013年当時大変苦労しました(笑)

 

1巻はそれなりに店頭に置いてあり、2巻も時々は見かけました。しかし、3巻以降は超レアであり、中古であっても定価相当あるいは、それ以上の金額が・・・。私は3巻まで頑張って、その後全7巻セットを後から買いました。

 

オリジナルドラマCDキャラクターソングCD金元寿子さんの自衛隊体験入隊DVDなどレアものが揃っているほか、パッケージの紙を抜き出してひっくり返すと岸田メルさんのイラストが全巻に収録されているので、リバーシブルにパッケージを楽しめます

 

 

 

pianonaiq

北米版ブルーレイです。値段が国内版の十分の一以下なので、やっぱり圧倒的に安いですよね…。レヴューによると字幕も消せるようなので、今調べていてポチってしまいました(笑) 

 

Takashi

一気視聴するなら北米版が比較的手に入れやすく安い!配信の充実している昨今ではありますが、円盤として持つのもココロの資産価値を生むのではないでしょうか。英語の勉強にもなりますのでどうぞ!

 

漫画

 

 

記事本文でも紹介されていた漫画版がこちら。アニメ本編を補完してくれる内容にもなっているようなので、ファンにはマストアイテムっぽいですね。

 

Takashi

これを紹介すると早口になってしまいますが、冷静に(笑)

 

基本的な構成はアニメオリジナル作品に準じています。が、しかし、幕間のキャラクターの掛け合いや、心情表現の展開が物語にもキャラクターにも深みを与えています

 

作画を担当している神馬耶樹さんはマトイ・ナデシコ等の漫画で、心情表現の描き方に影と光を巧みに用いるなどの手腕が発揮されていますが、それは本作についても同様です。

 

アニメでは必要性ある人格のもとふんわりと描かれているキャラクターたちが、この漫画ではしっかりと深堀りがされており、より人間ドラマの要素が味わいを増します。また教会との関係なども・・・ぜひ、お楽しみください。

 

サントラ

 

 

 

大島ミチルさんによる本作のサントラです。記事の方でTakashiさんも100点付けられてますが、大島さんが手掛けた数多くのアニメ音楽の中でも本作をベストに挙げる人は結構多いのでは、という印象はありますし、私も大好きな一枚です。

 

アニメ本編では、キャラによるトランペットの演奏も染みるのですが、劇伴の出来も秀逸なので「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」というと音楽が良いアニメという印象も強いですね。

 

Takashi

実は、私はこのアニメの初見時に「作品が音楽に負けている」と正直思っていました。今ではそのようなことがないと確信をもって言えるので、逆にこういったことを話す機会は初めてかもしれません。それほどに音楽が完成されていたのです。

 

大島ミチルさんの音楽は、作品を知らなくても耳に心地よく、時に印象的で、聴くだけで作品を想起させる力をもっています。劇伴にそこまで興味のない方でも、フランス語で歌われる挿入歌の全編をじっくり聴けるこのCDはそれだけでも価値があるかもしれません。

 

フィギュア、その他

 

 

「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」」のフィギュアは検索かけてもこれくらいしか出てこなかったのですが、写真で見る限り、カナタはなかなか良さげです。

 

Takashi

実はフィギュアに関しては色々な出来事がありました。これ以外にも存在していたり、あるいは存在するはずだったものも・・・クオリティは良いので、見つけたらポチってみてください♪

 

 

 

pianonaiq

コスプレ衣装ですけど、これもまたなかなか再現度が良さげな…(笑)

 

Takashi

地味にいくつかの種類もあったりします。またコアなファンの方は似たような装備を集めてミリタリーコスプレで「ヘルベチア陸軍」と称し、嗜んでいます。

細かい設定ですと、作中のノエルは左利きなのでベルトの巻き方が一人違い、それを楽しむノエルファンも…

 

 

pianonaiq

コアですね……(笑)

 

 

 

 

pianonaiq

カナタのマグカップも可愛くてよいですねぇ…

 

Takashi

持ってない!誰か買ってください!(笑)

 

 

pianonaiq

この記事を読んでくださっているTakashiさんとご交流のある皆さま、Takashiさんへのプレゼントにカナタマグカップを是非よろしくお願いします!(笑)

 

 

 

Takashi

そのほかにも細々とグッズはあるのですが、外せないのは「タペストリー」です。 これは日本のamazonではほとんど見かけません。Amazon UK やAmazon USAなどで「soranowoto」や「Sound of the sky」などで検索してゲットできました。現在はないかもしれません。

 

ちなみに海外の大手通販サイトもクレジットカードやeメールアドレスがあれば、購入することができます。送料も高く日数もかかるのでまとめ買いがお勧めです。

 

 

pianonaiq

タペストリー、調べたら一応これは出てきましたが個人出品ですし確かに手に入り辛い状況ではありそうですね。

 

ちなみに、タペストリーってオタクの定番グッズのひとつなんですが、実はこれまで一度も買ったことないんですよね…(笑) 引っ掛けてすぐに飾れる便利さ、材質の違いからくるポスターとはまた異なる絵の趣とかが魅力になるのかなあとは思ってるのですが。

 

 

 特別対談 〈執筆者×主催者〉

対談収録日:2020/05/23 ※ 重大なネタバレを避けるように配慮していますが少なからず本編内容に触れる内容になっていますので、作品未見の読者の方、読む際は各自のご判断でよろしくお願いします

 

 はじめに

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pianonaiq
pianonaiq

本項では、執筆者のTakashiさんをお迎えし、作品や記事内容などについてお話していけたらと思います。

 

今回の記事は2018年に投稿された過去記事から内容はまったく変わっていません。

 

当時の記事誕生の経緯がどういうものだったのか、ちょっと記憶が薄れているのですが、私が本作を見るきっかけはずばりTakashiさんからの影響でしたね。

 

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」は、もともと見なければと長いこと思っていた作品ではあったんですが、ツイッターでTakashiさんと出会って、身近に作品を熱く語る人がいるとどうしても興味は増しますからそれが大きかったですね(笑)

 

今回この対談に向けて、先日買ったブルーレイで2周目の完走を果たしましたので、そこでの感想などを材料にTakashiさんに色々と質問をぶつけてみたいかなというのもありますが(笑)、本日はよろしくお願いします。

 

 

Takashi
Takashi

よろしくお願いします。

記事の経緯はpianonaiqさんから是非とご依頼をいただいたことがきっかけでした。私も一つ書き落とすことができて嬉しかったです。ありがとうございました。お手柔らかにお願いいたします(笑)

 

 

 

 

pianonaiq

2周目の視聴を終えて、新たな発見含め初見時より深く噛みしめられたかなという手ごたえもあるのですが、素晴らしい作品であった、という作品評価に関しては初見時からさほど変わらなかったようにも思います。

 

この点でいえば、Takashiさんはこの記事内容が物語るように私より遥かに本作の深いところを理解・把握していると思うわけですが、これまで本作を何周くらいされてますか?という質問からまず入らせていただこうかと…(笑)

 

 

Takashi

本作を何周ですか!?えぇっと…(笑)

 

2020年は6月までに2周観て、2019年は少なくともTwitter企画やオフ会を含めて6周は全話観ましたね。それ以外にもちょこちょこと単話数で観てます。2018年も確かオフ会含めると少なくとも5周くらいは観てるはず。

 

初見は2013年で、感銘を受けてやはり年内に少なくとも3周は観てるはずなので、2013年-2019年の7年間、単話数で観ることも考えて、仮に年平均5周と計算してみると35周。現在では約37周観てることになりますね。初めて数えたので驚きです(笑)

 

私が理解を深めたというよりは、ファンの方々と共に観て語らうことが増えたことによる知見が広まった、ココロの中にある地図が広がったという印象が強いかもしれません。

 

 

pianonaiq

凄いですね。予想より上をいくご回答で「さすが」というより他ありませんが(笑)、私の場合ひとつのアニメ作品をそこまでの回数見たことがないので、素直な感情としてリスペクトの念があります。

 

それくらい見ると一体どういう景色が得られるのだろうか凄く興味がありますし、作品との接し方においても見習いたいなあと思います。

 

誰かと一緒に見て語り合う、というのも自分では思いもよらない様々な気づきが得られるので有意義ですよね。

 

 

 理屈では説明できない「音」による感動

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pianonaiq

では本題に入っていきますが、

まずあらためて本作を見てみて、本記事「注目話数」の項でもTakashiさんが挙げられている10話はやっぱり抜群に素晴らしくてもう大納得でした(笑)

 

初見時から高い評価はしていましたが、この10話最終12話は本作(制作陣)がとことん力を注いで描こうとした「音」の力が演出、物語の両面において十二分に発揮されていて、本作の中でも別格といえる深い感動が味わえる話数ではないかとあらためて感じました。

 

全話の脚本を担当された吉野弘幸氏の手腕の高さは今回新たに驚いたところで、例えば視点を変えて同じシーンを描き直す手法が効果的に盛り込まれた6話や「ザ・よい話」的な9話のクラウス少佐回なんかは、お話作りの上手さという点で脚本家の力量を強く感じる話数でした。

 

対して、10、12話は音が鳴り始めると訳もなくそれに聞き入り感動してしまうという、ある意味では脚本家のコントロールできない領域にある良さといいますか、ちょっと理屈では説明できない、ミラクルと評したくなるような良さが心に深く染みわたるような話数でした。

 

 

本作の音に対するこだわりは、以下に挙げる神戸守監督へのインタヴュー記事〈後編〉からも窺い知ることができますが、監督自身は本作で「継承」というテーマを掲げそれを担うものとして「」を捉えていたようですね。

 

同時にまた、音(音楽)は言葉を超えて伝わるもの、ともあり「理屈では説明できない良さ」というのはまさにこのあたりがしっかりした形として示されたとも捉えられるのかなと。

 

ラッパを通して発せられた音が空気を震わせながら空へと拡散し「空の音」となり人々の耳に届く、そんなイメージも持ちましたかね。

 

 

つながる世界、アニメで描く 「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」監督に聞く【後編】 (1/5)
「少女たちがいる軍隊」を舞台に描かれる人気アニメ「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」。監督はなぜこのアニメを撮り、そして誰にどんなメッセージを残したかったのか。インタビュー後半は「継承していくこと」という物語の側面について聞く。

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

Takashi

それこそが「アニメノチカラ」なんですよね!「アニメでしか表現ができない」、これが今作の魅力の大きな一つになっています。それもあっておそらくコミカライズの方では、漫画でしか描けない部分に力を注いでおり、音楽的な要素は限られた形で展開されているのではないかと思われます。漫画ではそこに代わる人間ドラマが表現されているんですよね。

 

上にあるアニメ最終話のスクリーンショットですが、このシーンの音楽、実は転調したところからオーバーダビング、つまり録音が同じ音のユニゾンで重ねられているんですよね。最初はシーンや音楽を印象づけるための演出かなぁと思っていたんですが、漫画ではある意味ではっきり描かれているんですよ。

 

なぜオーバーダビングをしたのか。その意味は漫画を読まなくても推測できるかもしれませんが、そのような音響演出をして言葉以上の表現をすること、解釈の幅を持たせられること、これはまさに「アニメノチカラ」ではないでしょうか。

 

 

この作品はもともとアニメノチカラプロジェクト作品の第一弾として、アニメオリジナル作品を一から生み出そうとしたとても意欲的な作品でした。他のアニメとの異なる点はいくらでも挙げられるかとは思うのですが、私個人の推測も含めて一番に異なる点は、製作陣の対話量(熱量)ではないかと思います。

 

神戸監督のインタビューにもあるように、深く考えようと思えばいくらでも深く考えられる、しかし明示はしないという設定を作るためには脚本の問題だけではなく、多くの情報を製作陣の中で生み出し、その総てを全員で共有していくことが求められるはずです。通常のアニメーション制作においては限界もあることかもしれませんが、今作はプロジェクト第一弾作品としてその辺りにもクリエイターたちの熱量が反映されているのではないかと思います。これは何周もアニメを繰り返し見ていく中で、歴史観が破綻しない非常に丁寧な全体設計になっているように今でも感じています。 

 

対談ということで話が長くなりすぎてすみません(笑)以上の前提があって、10話から12話の展開が短い中で「歴史と継承」を凝縮した素晴らしいものになっていると思います。

 

 

pianonaiq

なるほど……。30周以上本作を見て細部まで噛み砕いている方のご意見としてずしりとくるものがあります。やはり設定、世界観は相当注意深く緻密に作り込まれた作品であると。

 

 

Takashi

10話は視点によって捉えられる点がいくつもあるのですが、「音」を通じた「物語」の点から言えばまさにその「歴史と継承」を描いています。リオカナタにトランペットを手渡すのはまさに継承の儀なのですが、その時にリオの胸にある土鈴が鳴るんですよね。これってつまりはイリア皇女からの歴史を通じた一連の継承の儀なんですよ(涙)。

 

イリア皇女はアニメ全編の中でトータルしても2分くらいしか出てこないはずなんですよね。でも次に周回するときは是非この「土鈴」に注目してみてください。

 

イリア皇女のつよさや想いがこのソ・ラ・ノ・ヲ・トという物語に「軌跡」と「奇跡」をもたらして、彼女の優しく気高かった生き方にカナタたちが祝福されていることが見えてくると思います!土鈴も「音」で応えて彼女の存在を感じさせてくれます。そうすると第1話のカナタの行動背景が物語の視点からも見えてくると思います。すみません、イリア皇女のことになると主観たっぷりです(笑)

 

 

イリア皇女

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

pianonaiq

思わず膝を叩きたくなってしまいましたが、私は2周目でイリア皇女に関するその辺はおそらくそこまで深く見られていなかったですね…。土鈴、次見る時はそこに着目してみたいです。

 

 

Takashi

音を通じた物語という点で言うと11話はローマ軍の斥候であるアーイシャとの交流が始まります。そこでカナタたちは初めて言語の壁にぶつかることとなります。しかし、その壁を超えたものとは一体なんであったのでしょうか。そう、それは音楽でした。

 

ローマ軍の喇叭手であるアーイシャはカナタからトランペットを借りると、アメージンググレイスの一節を演奏しました。そのことにカナタは大喜びをしますが、これが壁を超えた瞬間です。

 

この作品の設定から一般兵が敵国や世界のことを知識として得ることは非常に難しく、自分たちの文化・生活しか捉えることができないであろうということを推測するのは難しくないはずです。そんなカナタたちにとって、アーイシャの奏でるそれは「奇跡」であったに違いありません。なぜなら、敵国である未知なる存在ローマ帝国やその人においても言葉を超えた共通のものを発見したからです。

 

では、なぜローマにもアメージンググレイスが伝わっていたのか、アメージンググレイスの音楽とは一体なんであったのか、この辺りもとても妄想の捗るところですが脱線しそうなので省略します(笑)。

 

実際このことは、ファンの間でも様々な意見が交わされています。P S Pゲームソフト「乙女ノ五重奏」(下図参照)の中でも歌詞を復元することを仕事としているオリジナルキャラクターが出てくることでその設定に深みも与えています。

 

 

P S Pゲームソフト「乙女ノ五重奏」

 

 

Takashi

そして12話ですが、これは語るまでもなく、ソ・ラ・ノ・ヲ・トがソ・ラ・ノ・ヲ・トたる由縁の展開ですね。ローマ軍の信号をアーイシャから教わることで自軍だけではなく、ローマ軍の信号までもカナタが奏でることでその意図を言葉の通じないローマ軍へ伝えることができます。

 

そもそもカナタたちが停戦に向けて動けたのは、砦を離れたリオからの停戦信号をカナタが耳にしたことがきっかけでもあります。つまりは、音によって伝わったものを、人を、立場を、国境を超えて音で紡ぎつなげるのが、あのクライマックスシーンにあるのです。

 

そして、イリア皇女の導きのもとに奇跡的に集まった砦の乙女たちが、その皇女の奏でていたアメージンググレイスを奏でることによって、両軍入りみだれるあの光景につながると。これはセリフではなく、音で表現されたからこその「アニメノチカラ」の一端の要素たりえるのではないかと思います。

 

 

歴史の何かからイリア皇女へ、皇女からリオへ、リオからカナタへ、それらが一点に凝縮された停戦の空から降り注ぐ音、音楽が「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」なんです。

 

音楽に関していえば、他にもまだまだあるのですが、ひとまずはこんな感じで(笑)

 

 

pianonaiq

ありがとうございます。なんか12話アーイシャの下りも思ったより深そうですねぇ。たぶん私はここもそんなに深く見れてないなあと聞いていて思いました。

 

それと、ゲームはなんかかなり良さげですね!褐色肌の新キャラ?とか非常に良い感じで惹かれるものが…(笑)

 

Takashi

ゲームについて、よく言われるのは?百合ゲームの金字塔だと(笑)

 

実際プレイしてみてもらえればわかりますが、アニメの本編とは基本的に打って変わって日常回のテンポ感で終始描かれます。 アニメと違って面白いのは、1日ごとにどのキャラクターを観測し、どんな選択肢を選ばせるかが出来ることですね。 いい選択肢を選べばその隊員同士の仲が深まり、そうでなければ逆もしかりと。互いの好感度のほかに演奏レベルという概念も存在していて、ゲームの最終目標時に影響もあります。

 

そこまで長くはない作品ではあるものの、1周ゲームを終えた後も、あのとき他のキャラは何をし、何を考えていたのかを周回プレイ等やセーブ機能をうまく使えば確認することが出来るので物語を深めることも出来ます。 仲がよくほわほわするだけでなく、場面によっては多少ケンカっぽくなることもあります。

 

褐色の肌のオリジナルキャラクター・キリエの存在が物語にアクセントも与えますが、あまり身構えずに砦の5人の日常を共に追体験できるようなリラックスしてできるゲームです。 ぜひ最高のアンサンブルを目指して楽しんでみてくださいね!

 

 

pianonaiq

他に音の話でいうと、1話カナタリオがラッパの音で掛け合うシーンなどでも言葉の会話からは生まれないような何ともいえない感動があったんですよね。

 

本作はこのラッパの音の鳴り方――残響や遠鳴りなどの音響によって舞台設定の奥行き感や臨場感を表現していたところもあり、この辺のこだわりにも深く唸らされました。音響スタッフも相当手間暇かけて苦労なされたのだろうなと思います。

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

Takashi

僕は軍隊の作法や軍学ラッパに関する知識はありません。もしかしたら決まりであったのかもしれませんが、カナタ1話の谷底でGの音(ソ)を奏でる時にリオBの音(シ)の音で応えるんですよね。

 

「貴方の音は確かに受け取った」というメッセージを発するにあたって、同じGの音をかぶせずに3度上のBの音を発するのは感覚としてもごく自然なんですが、拡大妄想をすると、これからのリオとカナタの関係を物語る音選びに聴こえてもきてしまうのです(笑)

 

10話の二人が奏でるアンサンブルもカナタのハモリは必ずリオと同じか、その下の音なんですよね。音楽的に考えても至極当然なんですが、そのカナタがトランペットを継承されて、誰かの標になるように音楽を奏でるようになるポイントも素敵だと思います。オリジナル話数13話も観られる方は、冒頭のカナタがトランペットを奏でるシーンにも注目していただきたいですね。

 

 

音響面については、私も実際スペインのクエンカにお邪魔しましたが、山あいの風が吹き抜ける砦の立地を非常によく再現していると思います。幾らかのスタッフとロケハンに行ったのが非常に良かったのではないでしょうか。

 

pianonaiq

3度上の音で返してたんですね!さすがにそこまで目が行きませんでしたが、長3度の音楽的性質などを考えれば確かに妄想が捗ってとても興味深いです(笑)

 

カナタのトランペットの成長も本作の大きな見どころのひとつですが、最初あんなへたっぴだったカナタが12話でああいう、というところがまた大きく感動するポイントでもありましたよね。

 

 

そうそう、Takashiさんクエンカに実際行かれてるんでしたよねぇ。海外への聖地巡礼とかリスペクトしかないですが、ロケハンの成果は映像面のみならず音響面にも現れてそうです。

 

 

 その他注目話数、好きなキャラなど

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pianonaiq

記事本文「作品の魅力」の項で<人生に迷ったとき欲しい言葉を探したり>とありますが、Takashiさんにとって例えばこれがどの話数になるのだろう?というのが気になっていたりもするのですが、その他好きな話数などと絡めてこの辺についてお聞きしてもよろしいでしょうか?

 

個人的には、7話ラストのフィリシアのセリフなんかは非常に深い言葉として強く印象に残りましたかね。

 

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

Takashi

7話フィリシアの言葉は多くのファンに刺さっている印象ですね。

 

私にとっても印象的ではあったのですが、「世界に意味なんてない。意味は勝手に作っちゃえばいい」的なニュアンスのものは、別作品であるココロコネクトの方で先にたっぷり学ばせていただいていたので、「そうだよね」くらいでした(笑)まあ死戦をくぐり抜けて来たフィリシアが放つ言葉の重みはとても深くあるのですが。

 

個人的に印象に残っている言葉は選べないほどにありますが、今思いつくところでいうと

 

  • 第1話喇叭手に親切にしておくと、退却喇叭がよく聴こえるってな。
  • 第3話先輩や上官は何のためにいると思う?」一連の件(くだり)
  • 第4話嬢ちゃん。無理やり音を作ろうとしてねぇか。俺はこういう形にしようとしてるんじゃねぇ。ガラスがな、こういう形になりたがってるんだ。
  • 第9話憧れってメガネはいつもピンボケなのさ。いつかあんたがそのメガネで見られるときそのつらさがわかるよ。

 

このあたりでしょうか。

 

特に視聴をしていない今の時期に思いつくということは、おそらく根本的に僕の中に響いている言葉なんだと思います。

 

第1話のこのセリフについては、実は最初何とも思っていませんでした。しかし、ミリタリーファンの知り合いがこのセリフについて熱く語ってきたのです。こんなセリフの聞ける作品は実写も含めて他にはない!喇叭手をモチーフとしたすごい物語で、これはすごいセリフなんだ!!」と。

 

要は、こんなセリフがポンと出るということは、ここに出てくる軍曹たちは確かな戦争の経験者たちである、ということを強く物語っているのだということです。

 

実は、知り合いから熱く語られたこの話は、僕がソ・ラ・ノ・ヲ・トファンの人と初めて直接お会いした時に、自分には全くない視点の話でいたく感動をしたことがきっかけとなったものです。

 

その2016年当時においてもそれなりに作品が好きで、隠れた名作だと自分の中でずっと思っていたのですが、この話を聞いたときに「ソ・ラ・ノ・ヲ・トって実は自分なんかが思っているよりも、もっともっとすごい大傑作なのではないか」と直感したんです。

 

実際、ファン活動が盛んになってきた頃より、多くの方と語らう中で、本文記事にも書かせていただいたような、多彩な視座が次々に生まれたのでした。

 

こう言っては何なのですが、つまらない論争を繰り返すよりも、自分の好きな作品をお互いにリスペクトしあえる方達ともっとたくさん語り合いたい、対話的に深めていきたい、という想いが活動の原動力になったことは間違いありません。こういった意味で、第1話のこのセリフは個人的にものすごく強く印象に残るものとなりました。

 

 

pianonaiq

いやあ、1話のセリフに関する一連のエピソードはちょっと凄く良いお話を聞かせていただいたなと少し感動しております(笑)

 

喇叭手の物語として見る「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」、というあたりでものすごく視野が広がったような気がしますし、Takashiさんが普段行っているファン活動の有意義な様子を垣間見させていただいというか、貴重な体験と情報をシェアしていただいて感謝です!

 

つまらない論争を繰り返すより、自分の好きな作品についてリスペクトする仲間達と語り合いより理解を深めていく――ここも何かとても刺さるものがありました。

 

Takashi

すみません(笑) それほどに他の方との対話から再発見した魅力が多かったんですよね。

 

 

第3話第4話については、好きな話数とも絡んできます。僕は円盤の第2巻にあたるこの第3話と第4話がとても好きです。「私のソ・ラ・ノ・ヲ・ト」はこの二つの話数にあります

 

  • 第3話は「継承のターニングポイントであり、上に立つものとしての在り方」
  • 第4話は「個人の生き方、在り方、表現の仕方に関する示唆」

 

ですかね。

 

イリア皇女に入れ込む以前は、キャラクターとしてリオが一番好きでした。リオは全編の様々な場面で、その人間的弱さにあたるような部分も見せています。しかし、第3話のリオのこの一連のシーンは、「上官としての在り方」、つまりは上に立つものの理想的なあり方を明確に示したものだったのです。

 

様々な作品においてもこのようなことは語られているかとも思いますが、「後輩に迷惑をかけられるためだ」なんて言い放ったのは僕の知っている狭い範囲の中ではリオただ一人でした。

 

全部書くと長いので省略しますが、この言葉を初めて聞いたときに目から鱗というか、めちゃくちゃ感動した記憶があります。それっ!それだよっ!自分が探していた言葉はそれだったんだよ!!って(笑)

 

リオは憧れていた人からの受け売りだと言ってはいましたが、その受け売りを伝えられるということは、そういった生き方をしようとココロに秘めているからなんですよね。僕自身、実際の生活においても頑張っている後輩がいるとヘンな先輩と思われるだろうなと思いつつ、似たようなことを伝えるようになりました(笑)今でもそのように在りたいと私的にココロの中で想っています。

 

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

pianonaiq

なるほど……Takashiさんにとっては3話は非常に大きな存在となっているのですねぇ。作品が私生活へ与える影響も凄いですが(笑)、素晴らしいと思います!

 

 

Takashi

第4話「嬢ちゃん。無理やり音を作ろうとしてねぇか。俺はこういう形にしようとしてるんじゃねぇ。ガラスがな、こういう形になりたがってるんだ。」について。

 

これは至極個人的な話になるのですが、実は、僕は20代の頃プロの指揮者を目指して勉強をしていたのです。さわりくらいのプロ活動はしたのですが、勉強をしていく過程で指揮の師匠の元で何年もずっとレッスンを受けたり、手伝いをしたり、その全てを吸収しようと自分で言うのもなんですが、一生懸命やってました(笑)

 

齢80を超える師匠からはいつも「力みすぎだ。もっと自然にやるんだよ。ほら、こういう感じで。」と目の前で師匠の音楽が再現されて、そこに一生懸命ついていく、という感じだったんですよね。師匠がひとたび指揮棒を振ると世界が変わったかのように音楽が変わる、という場面を何年もずっと見続け、憧れ、学んできたんです。

 

そんな訳で、第4話においてカール(下図)がガラスを作る姿と共にカナタにメッセージを伝えるこのシーンは、個人的にめちゃくちゃにぶっ刺さるワケなんですよ(笑)これ、セリフだけではなくて、ガラスを作る職人としての姿とともにセリフがあるんですよね。まさしく「アニメノチカラ」じゃないですか!?とまあ、鼻息も荒くなります(笑)なんだか、アニメだとか現実だとか、そんなちっぽけな問題どうでもよくなっちゃいましたね、これを目撃した瞬間。たしかに感動を、ココロを大きく動かされたシーンでした。

 

 

第9話はもっとライトで、しがないおじさんの名ゼリフだ!という感じですね。でも、他にこんなセリフ聞いたことありませんでした。

 

 

カール(cv:杉野博臣)

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

pianonaiq

4話は、Takashiさんのためにあるような話数じゃないですか!(笑)

 

Takashiさんの指揮者に関するその辺のお話はブログ記事なんかでも少しばかり把握はしておりました。

 

自分もピアノをやっているので、カナタのぶち当たった壁やそれに対するカールの助言には経験として思い当たり身に染みるものがあって、Takashiさんほどドンピシャではないにしても(笑)やっぱり良いセリフでありシーンだと思いました。でもいわれるとほんと「アニメノチカラ」といえるシーンになっていますし、こう何だかシーンの解像度が上がっていくような感覚があります。

 

9話クラウス少佐回もじんわりと心に沁みる良いエピソードですよねぇ。「憧れってメガネはいつもピンボケなのさ。いつかあんたがそのメガネで見られるときそのつらさがわかるよ。」も、粋なセリフだというのは直感的にすぐに感じ取れるとして、確かに他で聞いたことがないような凄いセリフだなあと思えてきました(笑)

 

 

クラウス少佐(cv:石塚運昇)

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pianonaiq

続いて好きなキャラの話なんかも少ししてみたいと思うのですが、自分は悠木碧さんの役作りがやはり流石なノエルかなという感じです。Takashiさんの好きなキャラが誰なのかは前々からとても気になっていたのですが、これまでの話からするともう聞くまでもないないかもですね(笑)

 

 

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Takashi

すいません、「イリア皇女殿下」です(笑)

 

サムネイルにもイリア皇女を使わせていただいていますが、私にとっての「ソ・ラ・ノ・ヲ・トの物語」は、「イリア皇女の想いが紡ぎ出した軌跡と奇跡の物語」なのです。彼女の存在が確かな歴史としてなかったのであれば、この物語は始まりすらしませんでした。この点については、漫画もゲームも同様にその意志が引き継がれています。

 

先ほど土鈴のことについて彼女の存在を意識できる、と言いましたが、オリジナル話数を含めた全14話ドラマCD数本も含めて実際に姿を見せるのは数分、話に出てくるのを合わせても十数分ではないでしょうか。なのにですよ、たしかにイリア皇女の息吹を全編から感じるのです。届かない憧れ的な存在としてかもしれませんが、僕にとってイリア皇女は本当に特別なんです。

 

是非漫画の方も機会があれば読んでみていただきたい。ちなみにゲームの方では、彼女の死に関する話が描かれそうになったとき、辛すぎて電源を消して、数週間ほど進められないでいました(笑)

 

それ以外だと、リオですかね。先ほど述べさせていただいた理由からです。もちろんみんな大好きですよ!

 

あと、これはまあ雑談になる訳ですが、ミシオセイヤ以外の教会の子どもたちにも名前がついているのです。その子たちの中ではポニーテールのポーニーが好きですね(笑)

 

 

pianonaiq

イリア皇女は私もとても好きなんですが、Takashiさんの話を聞いてると影響されてもっと好きになりそうな…(笑)

 

まあでもほんと、登場する時間があれほど極端に少ないのに作品において極めて重要で尚且つ魅力的に感じられるキャラというのも他にはそうそういないかもですよねぇ。

 

漫画もゲームもますます興味が出てきましたが、特にゲームはそんなとこまで描くのはちょっと凄いですね…。

 

ポーニーはさすがです(笑)

 

 

 戦争ものと美少女ものの両立

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pianonaiq

戦争ものと美少女ものの両立――これは私が本作において唯一引っかかりを覚える点で、初見時、そして2周目の視聴を終えても依然解消されず課題として残ったトピックでもあるのですが、Takashiさんだからこそこの点についてのご意見をお聞きしてみたいと考えました。

 

本作はほんわかした日常ものとしての魅力と同時に、7話1112話に顕著ですが、本格的な戦争ものとしての顔を持つ作品でもあるというのが私の印象です。

 

 

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

pianonaiq

先程の神戸監督インタヴューの〈前編〉を読むと、放送枠など視聴ターゲット層を考慮した上で、「あまり重すぎる内容は避けたい、けれどもほんわかしたもの一辺倒にもしたくない」といったあたりでバランス感へ配慮したことがうかがえます。

 

この点において成された「現実感を出す」という監督の意図については、この世界で確かに少女達が生きている、という実在感がしっかり感じられる描きになっていたので、ここはやはり本作の魅力だろうと思います。

 

 

アニメでも箱庭は作らない 「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」監督に聞く【前編】 (1/5)
「少女たちがいる軍隊」を舞台に描かれる人気アニメ「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」。監督はなぜこのアニメを撮り、そして誰にどんなメッセージを残したかったのか。インタビュー前半は「物語という実感」という側面について聞く。

 

 

pianonaiq

では私の引っかかりとは何なのか――ですが、端的にいえばそれは本作を本格的な戦争ものとして見た場合に少なからず頭の隅に生じる、

 

こんなにか弱き乙女達が兵隊として志願し前線基地に配属される世界ってどんな世界(状況)だろう?

 

という疑問になるのかなと思います。

 

 

©Paradores・Aniplex/第1121小隊

 

 

pianonaiq

世間一般的にもファンの間ではほんわかした日常ものを好む派、戦争ものとしての側面も両方好きな派、戦争はあまり……など色々意見があるとの話も聞きます。

 

Takashiさんんがこのあたりでどのようなご意見をお持ちなか、よろしければお聞かせいただけるとありがたいです。

 

 

Takashi

そうですね。まず前提的なところでいうと、作品を作る上で女の子しか出さないという方針が製作陣の中で決まったと、オーディオコメンタリーかインタビューかで言っていたように記憶しています。じゃあ、っていうところですよね。

 

これについてはやはりハッキリ言及されているわけではないので、あくまで一人のファンの見解ということでお願いします(笑)

 

 

pianonaiqさんの疑問に関するヒントは、おそらく第2話にあると思います。

 

前線基地といえば確かに聞こえはいいですが、逆にいえばどんなことが言えそうでしょうか。つまりは国の中の忘れ去られるような「隅っこ」なんです。それに関することは第2話のクレハが、落ち込みながら言及していますよね。

 

給料は現物支給の遅配が当たり前。世界地図やその他の国に関することはオリジナル話数の第13話に少しだけ描かれています。「セーズのお荷物部隊」と言及されているように、前線基地という名の都合の良い適当な部隊なので、彼女らが戦争の前面に立っていく、ということにはならないと思います。国から見れば、パシリや小間使い的な小隊になるということですかね。

 

これについては、アーイシャのおばあちゃんが所属していた時告げ砦の話、山の上の装置に掘られた名前「花簾」など過去の砦の乙女についての言及、5年前にイリア皇女が砦を訪れたときに撮られた写真、街の伝承などからこのセーズの小隊には基本的に女性軍人が配属されてきていることが分かりますよね。

 

なので、少ない女性軍人たちが前線基地という名の僻地で、せいぜい伝令役程度に機能を果たしていくという役割があるのだと思います。なぜ少ないと言えるかは、ホプキンスの部隊や第12話の停戦の場面などを見れば明らかですね。

 

では現在属している砦の乙女たちは、なぜ軍人としてこの街にいるのか。

 

カナタは紛れもなく、音楽を習うために軍に入るしか選択肢がなかった。

 

クレハは戦災孤児であり、生きていくための手段として身近にあった職業、または軍医であった母に憧れもあったのではないかと。実際に軍医になりたいとつよく思ったのは12話アーイシャが負傷したときに何もできなかったからだとも言っていますが、これはそもそもの動機には当てはまりづらいですよね。

 

ノエルはアカデミーの天才ということから軍にスカウトされ、軍のいいように使われそうになっているところを、アカデミー教授の計らいで時告げ砦に身を潜めることとなりました。

 

リオは憧れた人に近づこうとした。

 

フィリシアのそもそもについては語られていませんが、一人だけ名前がドイツ式で表記されていることから、ヘルベチア以外の国出身なのか、何か訳ありなのか、王族関連なのか判明はしていません。

 

つまりは、みんな事情のある中で軍人という職業に就いた女の子たちなんですよね。で、そういった女性軍人(特に新人)の配属先が、いわゆる定番化しており、それが第1121小隊なのではないかと思います。

 

世界の全貌については明らかになっていませんが、是非その想像を深めるにあたっては第13話を参考にしてみると良いと思います。また漫画も更なる背景が描かれているので、機会があれば是非お読みください。個人的には、カナタが軍人としてのアイデンティティーを語る場面に触れて欲しいなと思います。

 

 

最後に、戦争ものなのかどうかということについて、それは本文記事の中でも書いているように、多彩な視座を持てる作品であるので、観る人が決めればいいのだと思います。世界はあるがまま。世界に意味がない。であれば、自分で勝手に作っちゃえばいい。フィリシアの場合はそれを見つけ出しました。では、私たちは?そう、自分自身に問いかけることがこの作品との向き合い方になるのではないかと思います。

 

私個人の意見として、戦争ものなのかどうかという意見に対してはこう言いたいと思います。「戦争を描かずに戦争を描いた名作である」と。

 

 

pianonaiq

外堀が埋まるように疑問が解消していくような……興味深いお話、ありがとうございます。

 

5人の少女達が軍人として同じ場所に居合わせていることにしっかりとした理由がある、ということなんですねぇ。

 

そういった設定や世界観は綿密に作り込まれているけど、描き方としてそれを親切に明示するようなやり方は敢えて避けている?という本作の特徴も少なからず疑問を感じることに影響してるのかなとも思いますが、しかしだからこそこうしてお話を聞くと逆にその明示しないことで生まれる奥行きが疑問解消を助けてくれそうな気がするというか、そんな納得感もありました。

 

やっぱりTakashiさんにこの疑問をぶつけてみてよかったです!今回得られた様々なヒントや材料をもとに、3周目以降の視聴でこの疑問を含め色々と考えてみたいと思います。

 

 

 最後に

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pianonaiq

というわけで、このあたりでそろそろ対談を締めようと思いますが、最後にTakashiさんの方から何かありますでしょうか?

 

Takashiさんといえば、本作の熱心なファンが集いオフ会などを催しているコミュニティ「ソラヲフ」で中心的な役割を担っておられる方という印象も強いわけですが、今後何か大きな企画やご予定などはあったりするのでしょうか?

 

ファンの間ではやはり2期への期待が未だに根強くある作品だと思いますが、実現したらもう狂喜乱舞、凄い盛り上がりになるでしょうね(笑)

 

 

Takashi

まずは今回のように作品について言語化させていただく機会をいただきまして、大変感謝をしております。ありがとうございます!

 

想いや考えを言語化することも一つのクリエイションになるのだなと今回改めて思いました。拙い文章ではありましたが、ここまでお付き合いいただけた読者の皆さんにも大変感謝を申し上げます。

 

 

ソラヲフは2016年にファンでオフ会をやろう!と立ち上がったもので、1回きりのイベントになると思っていました。しかし驚くことに、普段は別コンテンツなどに身を置くなどしている?全国に隠れていたソ・ラ・ノ・ヲ・トファンたちがワラワラと湧いて東京秋葉原に50人も集まったんですよね(笑)

みんな飢えていたのだなとwそんなこんなで、気がつけば次、そしてまた次、とファン同士の活動が活発化しました。

 

そうこうしていくうちに、2020年はなんと放映10周年という記念すべき年になりました。本来はスペインでの聖地オフ会を数年前から企画していたのですが、今回の社会情勢により断念をしました。今のところ予定をしているイベントは……

 

2020年11月21日(土)第6回ソラヲフ

 

ですね。

 

詳しいことは状況を見ながら更新していくので、もしご興味のあります方は、ソラヲフ運営のTwitterアカウント(@sorawoff1121)をフォローしていただければと思います。

 

ファンも様々ですね。2期への強い期待を持つ人、漫画の映画化、ゲームの映画化、総集編の映画化などそれぞれを望む人、あまりに美しく完結しているのでこのままがいい派、もうすでに2期は観たと、オレの観た2期を語る派などなど(笑)

 

僕は、実際に2期にあたりそうな夢を見ました(笑)。

 

国に戻ったリオが、久しぶりに砦を訪れ、カナタとともに国へと戻ろうとする道中の砂漠地帯で砂嵐に巻き込まれて倒れてしまいます。そんなところを近くの村?の少女に助けられ、そこから幌馬車で国へと改めて向かう道中にリオがカナタに対して「わたしは子どもを産むべきなのだろうか・・・」と真剣に相談をする。。。そこで目が覚めちゃいましたけども(笑)

 

 

いずれにしても、ファンの中に共通しているものは、何でもいいから展開があると嬉しい!ということなのではないかと思います。BDBOXでもいい、再放送でもいい、願わくは新展開があれば…おっしゃるように狂喜乱舞して、せまい中かもしれませんがめちゃくちゃ盛り上がるでしょうね!

 

長々と失礼をしましたが、とても楽しかったです。機会をいただきまして、改めてありがとうございました!

 

 

pianonaiq

2期の夢、続編の筋として本当にありそうで凄いなと(笑)

 

こちらこそ、新たにこうして対談にまでお付き合いいただき大変感謝しております!

 

本作を誰よりも多く鑑賞し心から愛されている方の語る興味深いお話の数々を聞くことができてとても楽しかったですし、有意義な対談記事になったのではないかと感じています。

 

Takashiさん、本日はありがとうございました。

 

 

 


執筆者 : Takashi (@real_tenshi

 

記事を担当しましたTakashiといいます。Twitterリンク先では、主にアイドルマスターのプロデューサー稼業をしておりますので、ご了承ください。

アニメについて記事を書くのはblogを中心にいままで少しだけ書いてきていますが、性分より「評論」というよりも、「エッセイや記事」的なものが多いです。
blog(アニメに限りません)
http://oranda-realtenshi.blog.so-net.ne.jp

 

 

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト(全12話)
打ち捨てられた廃墟で、迷子になった少女は、ひとりの女性兵士に出会いました。兵士の手には金色に輝くトランペット。「軍人さんになれば、トランペットが吹けるんだ!」ちょっとした勘違いをしたまま、少女は喇叭手に憧れ、軍への入隊を決意します。カナタ、15歳――。カナタが配属されたのは、セーズという街にある小さな駐留部隊・第112...

 

 

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