最強のフルオーケストラ劇伴:『プリンセスナイン 如月女子高野球部』(1998) レヴュー/作品紹介/対談〈ネタバレなし〉【ゲスト記事】

90年代
90年代 良作 2クール ゲスト記事

作品NO.68 9600字 対談:13000字


<2クール> の  名作>良作  


ジャンル スポーツドラマ(野球)・青春・熱血・恋愛・少女漫画・百合・神回


 

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※ 記事最後に本記事、作品についての特別対談もありますので宜しければ(ここもネタバレなし)

※旧サイト記事(初投稿:2019/04/13)

 

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プリンセスナイン 如月女子高野球部(全26話)
NHK-BS2の「衛星アニメ劇場」枠で1998年4月8日から10月14日まで放送(全26話)。女子高校に新設された硬式野球部の9人が甲子園を目指す物語。

 

 作品NO.68 『プリンセスナイン 如月女子高野球部』

  2クール> の  名作>良作 

※指標:90(めちゃくちゃ良い)>75(良い)>50(2流)

世界観:80  脚本/構成:90  演出:80

キャラ:90  演技(声優):85 

引き:80  劇伴:100  作画:70       

Ave. 84.38 

ネタバレ厳禁度:★★☆☆☆

詳しくはこちら

 作品データ/スタッフ/キャスト

 

1998年 4月8日~10月14日

NHK-BS2

全26話

オリジナル作品

 

監督:望月智充

原作:伊達憲星

シリーズ構成:丸山比朗

キャラクターデザイン:橋本義美

キャラクター原案:山下明彦

音楽:天野正道

アニメーション制作:フェニックス・エンタテインメント

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早川 涼:長沢美樹 (ピッチャー/打順9番)

氷室 いずみ:金月真美 (サード/打順4番)

森村 聖良:氷上恭子 (セカンド/打順1番)

吉本 ヒカル:長沢直美 (ファースト/打順2番)

堀田 小春:矢島晶子 (センター/打順3番)

東 ユキ:川澄綾子 (レフト/打順5番)

三田 加奈子:笠原留美 (ショート/打順6番)

渡嘉敷 陽湖:飯塚雅弓 (ライト/打順7番)

大道寺 真央:進藤こころ (キャッチャー/打順8番)

 

毛利 寧々:川田妙子 (マネージャー)

高杉 宏樹:子安武人

夏目 誠四郎:岩永哲哉

氷室 桂子:榊原良子

木戸 晋作:石井康嗣 (監督)

 

 作品概要

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 名作OVAシリーズとして知られる「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-」を制作したフェニックス・エンタテインメント唯一のTVアニメ作品にして女子高生×高校野球もの

 

今でこそ「少女×特定ジャンル(またはスポーツ)もの」はありがちな題材ではあるが、当時のTVアニメにおいては、まだまだ珍しい作品スタイルであった。

 

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 

 監督はジブリ作品の「海がきこえる」やサンライズの勇者ロボシリーズ「勇者指令ダグオン」「らんま1/2(第一期)」、近年では「バッテリー」(2018年)を手がけた望月智充。今年(20年現在)放映の「推しが武道館いってくれたら死ぬ」での各話参加も記憶に新しい所だ。

 

 音楽は「ジャイアントロボ」に引き続き、天野正道ワルシャワフィルハーモニーオーケストラが担当。その重厚かつ勇壮な旋律に乗せて、作品を過剰なまでに盛り立てる。

 

 余談ではあるが、のちに新海誠監督の「君の名は。」、また「とらドラ!」や「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などのキャラクターデザインで世に知られることになるアニメーター、田中将賀のキャリアスタート作でもある(※本作では動画で参加)。

 

 あらすじ

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引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 

 かつて高校野球とプロ野球を沸かせた男がいた。名を早川英彦――。将来は日本を背負って立つエースとさえ期待された彼はとある事件を機に、忽然と姿を消してしまう。

 

 それから20年後。

 

彼の血を受け継ぐ少女、早川涼は父と同じく野球の才能に恵まれていた。

 

早川 涼(cv:長沢美樹)

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 

 涼の天賦の才に目を付けた名門お嬢様学校「如月女子高校」理事長、氷室桂子は女子硬式野球部を創設。彼女の念願は男子と対等に戦えるチームを作り上げ、甲子園出場を果たす事。涼を特待生として入学させたのもその一環であった。

 

氷室 桂子(cv:榊原良子)

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 

女子野球チームの甲子園出場を内外に宣言した理事長の強い意志とそして涼の腕に宿る野球への熱い想いに突き動かされ、如月女子高野球部の運命を切り開いていく。

 

ここに前人未到の挑戦が始まろうとしていた。

 

 

 これは早川涼を中心に集まった、如月女高校野球部がさまざまな障害を乗り越え、甲子園を目指し奮闘する青春野球ドラマである!

 

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 みどころ

 作品の特徴

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 とにもかくにも、本作は今も放映当時も無くなって久しい「熱血スポ根ドラマ」を女性主役、それも高校野球ものという王道の題材で描いていることに尽きる。高校球児たちが争う甲子園、全国高校野球選手権の優勝を女子高生だけのチームが目指す事が本作の主題である。この無謀ともいえる荒唐無稽な筋立てによって話は展開されていく。作品の大前提によって降りかかる困難を主人公、早川涼を始めとする8人の少女たち+αが立ち向かい、乗り越えていく物語だ。

 

が、こんな途方もない挑戦を描けてしまうのもアニメだからこそであり、創作物で感じられる醍醐味のひとつであるだろう。

 

三田 加奈子(cv:笠原留美)

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 「女子高生が本気で甲子園出場を目指す」という大きな特徴によって、古き良き王道野球マンガのストーリーが今までに無い切り口で提示されている事が作品の大きな強みだ。少女たちの可憐さを押し出すのではなく、野球というスポーツに懸ける彼女たちの「情熱」と「強さ」を描いている点でも一線を画す。特に「男性と対等に戦う女性」という構図においては、今なお通用する描きを持っているだろう。

 

 この為、野球の試合シーンが秀逸というよりも、女性が男性主体の競技スポーツの中で戦う困難さを乗り越える事が一つの軸でもある。もちろん作画的に目を見張るシーンもいくつかあるが、試合に勝つためにあの手この手を尽くす様子や主人公、早川涼のメンタル面なども大きく描かれる。

 

また肉体的ハンデをフォローするために、野球マンガの定番要素も欠かさず入れてくる点には制作陣の「使える手段は全て使う姿勢」が窺えてきて頼もしい。

 

森村 聖良(cv:氷上恭子)

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 

 物語展開に目を移すと、作品の骨子である「熱血スポ根ドラマ」に並行して「少女漫画」的な恋愛関係も描いている点にも注目したい。これも女性が主役のスポーツドラマであるところが大きく起因しているが、「熱血スポ根ドラマ」のストーリーラインだけをとってみると非常に少年漫画的な色合いが強い

 

だが一方で思春期の少女の心理と恋愛感情を描く少女漫画テイストの物語が絡み合っており、作品的にはハイブリッドな魅力を生み出しているのも特徴の一つだ。

 

本作の重要キャラの一人、高杉 宏樹(cv:子安武人)

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 

 本作はシリーズ構成が非常に秀逸な作品でもある。

 

 1話毎をきっちりとした起承転結で区切らず、流動的な要素は先の回へと引き継ぐという形をとっており、物語展開の中でキャラクターたちにスポットを当てながら、メインシナリオも着実に進めていく形なので、伏線の張り方や何気ない描写によるキャラクターの掘り下げ方が見事だ。

奇抜な事は一切しない、物語の流れに寄り添った作りによって、サブシナリオがメインシナリオにも関連しており、余計なシナリオがほぼないのもスマートな印象を持つ。エピソードをちゃんと積み重ねていった結果、クライマックスの盛り上がりと高揚感がしっかりと感じられるのは高校野球ものの基本を外さずに、作品の魅力を引き出せているからだろう。

 

 シナリオもそうだがキャラクターも扱いの差はあっても、物語上不要なキャラクターは一人もいない野球部部員9人にはドラマの進行上、何かしらの見せ場があり、なおかつその分の成長を感じられるようになっているのが作品としても心強い箇所だ。

 

惜しむらくは提示されていながらも描かれなかった伏線がいくつか存在していること。大なり小なり、後の物語において描かれたろうものなのだが残念ながら現在に至るまで、その物語に続くページはいまだ白紙のままである。

 

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 

 またテーマの方に目を移していくと、物語の裏には「父性」が見え隠れしている。

 

 出てくるキャラ全員が全員、「父性」に捕らわれているわけでもないが、主人公であるなどは「亡き父への憧憬」と「エースの条件」、はたまた「恋心」にまで揺らされてしまうし、他方に目を移しても、「父性」を軸にしたエピソードが組み立てられているキャラクターは多い。

特に如月女子ナインの打撃の主軸でもある、堀田小春(下図)などは終盤にこのテーマで見せ場のあるキャラだ。

 

 もちろん肉親だけではなく、本作に登場する男性に対してそれを感じるキャラクターもいる。先に説明した「少女漫画」要素の通り、恋愛要素も外していない作品だからこそ垣間見えるテーマだとも言えるはずだ。

 

土佐弁が印象的なキャラ、堀田 小春(cv:矢島晶子)

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 

 ここまで作品の特徴を書いてきたが本作はありがちな美少女ものではなく、本気で「女子高生たちが甲子園出場を目指す」スポ根野球アニメであり、その描きは98年という年代を考えても、泥臭く大仰なストーリーが繰り広げられている事は強調しておきたい。

スポーツアニメとしては異色な組み合わせではあるが、物語は荒唐無稽ながら王道も王道、そして配置された要素がきっちりと見所となって、終盤の展開へと結びついていく様は感動的ですらある。

 

 話の結びにはいくばくかの不満は残る。しかし全26話を見終わった時、それすらも作品を味わった余韻として噛み締める満足感が得られることを間違いなく保証できる作品だ。

 

 

 登場人物について

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 本作を彩る登場人物たちにはどれも捨てがたい魅力があるが、「プリンセスナイン」という物語は二人の少女を主軸として話が動くといって過言ではない。

 

 一人は当然ながら主人公、早川涼(下図右)。そしてもう一人は涼のライバル、氷室いずみ(下図左)。彼女たちの因縁を一から説明すると延々と長くなってしまうので一口に言えば、彼女たちは野球競技のライバルでもあり、恋愛関係でもライバルである、というのがこの作品が従来のものと一線を画す特徴なのだ。

 

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 先に説明した作品の少年漫画要素と少女漫画要素を接続する存在として、彼女たちは物語を背負って立っている。

 

野球では「エースをねらえ!」の岡ひろみ竜崎麗香(お蝶夫人)の関係性であったり、それこそ「巨人の星」の星飛雄馬花形満が同じチームに属し、時に衝突しあいながらも切磋琢磨するようなライバル関係でもあり、片や子安武人が演じる超高校生級の球児、高杉宏樹を巡る三角関係の恋愛模様を繰り広げる、二人の少女でもある。

これ以外にも涼の父親を巡る、涼といずみの母親の数奇な運命も彼女たちに重なり、一筋縄ではいかない人間関係が本編の大きな渦となっていくのも見過ごせないだろう。

 

 なお本項では良くも悪くも素直に反応し、主人公らしく苦悩し超克していく早川涼よりも氷室いずみについて、多くを割きたいと思う。何故かといわれれば、氷室いずみという人物は恵まれた環境(理事長の娘で裕福な家庭)に生まれついているにもかかわらず、とても泥臭く苛烈さも兼ね備えた強烈な個性だからだ。

 

氷室 いずみ(cv:金月真美)

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 如月女子高の理事長の娘に生まれ、将来有望なテニスプレーヤーとして注目されていたが、と出会った事(同時に「いずみの母親と涼の父親の因縁」や「幼馴染である宏樹と涼の関係」も重なって)で彼女を強く意識し、自らの意思で野球に転向することとなる。

 

そんな経緯もあって、に対しては一口に語れない複雑な感情が入り混じっている一方、自他共に厳しい努力家でもある事と歯に衣着せぬ物言いによって、チームでは憎まれ役として時にはキャプテンのに代わり、厳しさをもって檄を飛ばす。

 

 良くも悪くもいずみに対して複雑な感情を滲ませる。自らを野球へと引き込んだ事に対しては敵愾心(てきがいしん)にも似た友情を見せ、また宏樹の仲が接近するたびに嫉妬もする。そこへ母親が涼に見る面影(早川英彦)や、いずみ自身がコンプレックスに感じている家庭事情までもが重なっていく。

氷室いずみにとって、早川涼は突如現れた、しかし見過ごすことなど到底出来ない、とてつもなく大きな存在として立ちはだかっているのだ(無論、涼本人はいずみからそれ程に意識されているとは露ほどにも思ってもいないのだが)。

 

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 元テニスプレーヤーとして培われた選手としての苛烈さ、また宏樹を幼い頃から慕っている少女らしい可憐さという二面性に、に対する強烈な対抗意識が氷室いずみという人物を構成する魅力だ。

同時にこのキャラクターの濃さは、作品のドラスティックな部分を一挙に担っている。この点に限って言えば、本編の主人公である以上に作品の特色を体現した、まさしく影の主役であることは自明だろう。

 

だからこそ最終盤におけるいずみと涼のやりとりには二人の関係性をこれ以上無く高める、エモーショナルに滾ったものが込められており、本作のクライマックスを彩っていることを強調しておきたい。個人的にこの作品をヘテロ(異性愛)をも内包したホモ(同性愛)の物語としても見ることが可能なのは、いずみの涼に対して渦巻く激情があってこそ、なのだ。

 

 

 もちろんいずみの他にも特色のある登場人物たちでひしめき合っているが、仲良しこよしだけではないチームメイトとしてグラデーションのある関係性が面白い。

 

前項で触れたキャラクター以外だと、シリーズ前半にほとんど台詞の無い東ユキのいわゆる「不思議ちゃん」ぶりや、アニメにおける最初期のギャルキャラ(だと思われる)である渡嘉敷陽湖(下図)のコメディリリーフっぷりなど、目立つ目立たないを抜きにして、各キャラの個性があり、それぞれの役割で物語に寄与している。ここでは紹介にとどめておくが、この辺りはぜひ本編を見て、登場人物たちの魅力を実感してほしいところだ。

 

渡嘉敷 陽湖(cv:飯塚雅弓)

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 音楽について

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 「プリンセスナイン」という作品にとって、他のなによりも欠かせない要素が音楽である。「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-」の音楽を担当した天野正道、ならびにワルシャワフィルハーモニーオーケストラが演奏を担当している。

 

 作品ではワルシャワフィルの演奏と当時らしいシンセサイザー演奏で構成された劇伴音楽が鳴り響く。シンセザイザーの方は基本的に日常シーンやコミカルなシーンを彩っているが、特筆したいのはやはりワルシャワフィルの分厚いオーケストラ演奏だろう。

主に試合展開を盛り上げたり、登場人物の感情や場の空気を明確にイメージさせる事などに効果的に使われているがバリエーションは多彩だ。

 

 「ジャイアントロボ」では作品内容の重厚さも相俟って、戦いの悲壮感や登場するロボットの重厚さを描くことに注力されていたが、本作においては「スポーツ(野球)の躍動感」を加味した軽やかさも奏でられている。

もちろん話をドラマティックに盛り立てる点に於いても、過剰といっても憚られない程、ワルシャワフィルの演奏は大仰なストーリー展開へ一役買っている。

 

ジャイアント ロボ THE ANIMATION 地球が静止する日(全7話)
来るべき近未来、人類は絶対無公害・完全リサイクル可能な第3のエネルギーシステム「シズマドライブ」の発明によって、輝かしい平和を享受していた。だがその陰では、全シズマシステムを停止させ、地球を真の闇に包み込む「地球静止作戦」を策謀する謎の秘密結社BF団と、国際警察機構の熾烈な戦いが繰り広げられていた。BF団は次々と怪ロボ...

 

 またフルオーケストラ演奏が鳴り響くだけでなく、トランペットや、ハープ、ヴァイオリンなどの独奏チェンバロや室内楽編成での演奏など、状況に応じた表情豊かな楽曲が要所要所に使われており、音楽だけで当時の作品群と比べて一味も二味も違った雰囲気が漂っているのは見逃せないポイントだ。

 

 特に終盤の2話、とりわけ最終26話はそんなワルシャワフィル演奏をふんだんに使った真骨頂のエピソードだろう。筆者の個人的な視聴履歴に限って言えば、ここまでフルオーケストラ演奏によって、視聴者の心を打ち震えさせるものに仕立てているアニメを見たことはない

ワルシャワフィルの重厚な演奏が劇的な試合展開の高揚感と緊張感を増幅させて、熱気溢れる臨場感をも脚色している。このようにフィルムスコアリングではないにせよ、作品演出において音楽がとても重要な要素としてその一翼を担っているのも魅力の一つだ。

 

 

 物語は音楽によって、その魅力が増幅される。この作品の大仰かつ王道な物語展開を最大限に装飾しているのがワルシャワフィルの音であるのは間違いない。オーケストラ演奏の重厚でド派手な音だからこそ、物語を装飾するという以上に有無を言わぬ作品の説得力として機能している。

同時に弦楽器などの旋律は登場人物たちの心情や感情を引き出し「プリンセスナイン」においてワルシャワフィルの奏でる音楽は切って離せないものといえるだろう。

 

 現にこの音楽ではない本作を想像できるか

 

 この作品を視聴した者にこの問を投げかければ、十中八九「ノー」と答えるはずだ。置き換えることは可能だが、当然ながら作品に漂う雰囲気が全く異なるものへとなることは想像に難くない。それほどに音楽が物語と密接に結びついている作品、という評価が出来るのも「プリンセスナイン」の換え難い特徴だ。

 

 

 注目話数

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 序盤のもたつきが多少あれど、尻上がりに内容が良くなっていく本作において、作画シナリオともに充実しているエピソードを上げるとなると、まず上がるのが8話

ジブリ作品などにも参加経験のある田中雄一作監による作画と望月監督コンテの詰め詰めの内容がドラマを過剰なまでに盛り上げる。この作品らしい大仰さが味わえるという点でも見応えのある一話。

 

 その点で言えば、メインスタッフがコンテ演出作監を担当した17話も引けをとらない。展開的には力技のエピソードだがそれを納得させられてしまう熱量と勢いが感じられる。またキャラクター原案の山下明彦が唯一参加した回でもある。17話を踏まえた後に見る18話OPの仕掛けにも注目したい所だ。

 

 また本作で一番の盛り上がりを見せるのが最終26話だ。24話から一続きのエピソードとなっているが、それまでの25話で積み重ねられてきたキャラクターたちの描写や因縁、ドラマが押し寄せてくる展開はまさしく必見だ。そこにワルシャワフィルの劇伴音楽がこれでもかと惜しみなく流れてくるので、ドラマの最高潮を実感できるはずだ。

 

 取り立てて、この3話が本作の独特な魅力を見事に体現したエピソードだろう。どれも2クール26話の中できっちり「物語」を感じさせてくれる、キーポイントの回を選んだつもりだ。もちろんこれらはピンポイントに見るものではなく、1話からの連続ストーリーとして視聴してきたからこそ得られるカタルシスだということも明記しておこう。

 

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 作品を観るには

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 現在、確実に作品視聴できる配信サイトは以下の2ヶ所のみ。

 

・ バンダイチャンネル

プリンセスナイン 如月女子高野球部|バンダイチャンネル
プリンセスナイン 如月女子高野球部|最新作から名作までアニメをたっぷり楽しめる動画配信サービス!月額1,000円(税抜)で対象の作品が見放題!初回は無料でおためし頂けます。スマートフォン、パソコン、タブレット、テレビで大好きなアニメを楽しもう!

 

・ dアニメストア

プリンセスナイン 如月女子高野球部(全26話)
NHK-BS2の「衛星アニメ劇場」枠で1998年4月8日から10月14日まで放送(全26話)。女子高校に新設された硬式野球部の9人が甲子園を目指す物語。

 

 

 2020年4月現在、廉価版DVD-BOX(国内版)は以前より大分値が上がってしまっているが、確実に見たい方にはおすすめ。

 

 

 評価・採点

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 作品評価      

 名作>良作 


 傑作   絶対観た方がよい作品 
 名作   観るべき、マストではずせない作品 
 良作    観た方がよい(がマスト!とは言い辛いかもという)作品
 佳作   時間があるなら是非観ることを勧めたい作品 
  水準作    普通だが見どころは(十分)ある作品

 凡作   酷いが全否定ではない、どこか残念な作品 
  失敗作    ほぼ全否定、何とも残念な作品 

 傑作・名作   傑作と名作の中間(ただしカテゴリは名作とする)
 傑作>名作   傑作寄り(同上)
 傑作<名作   名作寄り(同上)

※惜作    名作になりえた惜しい作品
※超神回  ずば抜けて素晴らしい名作回がある作品

 

作品評価順リスト(=「見て損はない作品」ランキング )はこちら

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 レーダーチャート評価 

 

世界観:80  脚本/構成:90  演出:80

キャラ:90  演技(声優):85 

引き:80  劇伴:100  作画:70       

Ave. 84.38


100 唯一無二、これ以上はそうそう望めない最高峰
95   最高、傑作レベル、文句なし、その作品にとってなくてはならない
90   めちゃくちゃ良い、名作レベル
85
80   かなり良い、良作レベル
75   良い
70   なかなか良い、佳作レベル
65
60   普通、水準作レベル、少々物足りないが及第点は出せる
50   凡作レベル、2流
30  失敗作レベル、3流  

 

・ 各パラメータが含むもの、点数の付け方など、詳しくはこちら
Ave.と作品評価は別、つまりAve.が75でも  名作  にすることは可能
・ これまで扱った全作品の採点等は作品評価順リストの方に纏めています

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 ネタバレ厳禁度

 

★★☆☆☆

 

ほとんど問題なし

 

 

 関連商品

※本項のみpianonaiqが担当

円盤

 

 

pianonaiq
pianonaiq

本文でも紹介されている「プリンセスナイン」の国内版dvdボックスです。BDは未発売なので円盤を買うならこれ一択だと思うんですが、前より大分値が上がってしまっていて正直少し辛い状況ですね(私が買った時は6000円くらいでしたので…)。

各ディスクにはストーリーの大きな区切りごとに話数が収録されているのでとても見やすいですし、落ち着いてじっくり視聴するならば是非おすすめしたい一品ではあるんですが、もう少し値が落ちて欲しいところですね…

サントラ

 

 

pianonaiq

本文でもテリーさんが語られている通り、「プリンセスナイン」はなんといってもサントラが最高なんですよね。何故か今サントラの1枚目が見当たらなかったので2枚目の方しか紹介していませんが、「あの曲を聴きたい!」となる主要曲が両ディスクに割と分散してるので、お金に余裕があるなら2枚とも揃えたいところでしょう(できるなら一枚に纏めて欲しかったですけどね…)。

 

 

 特別対談 〈執筆者×主催者〉

※ 対談収録日:2020/04/26(本項もネタバレはなし)

 女子野球アニメブーム?

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pianonaiq
pianonaiq

本項では、執筆者のテリーさんをお迎えして記事作成の経緯や本文内容、作品について、などを対談形式で語っていけたらと思います。

 

今回の記事が最初に投稿された2019年4月には女子野球アニメ「八月のシンデレラナイン」が放映されていました。当時の記事投稿の経緯、理由に同じ女子野球アニメとして「プリンセスナイン」にも是非注目して欲しい!といった下心的なものもあったと思うのですが、新サイト移行に伴う今回の記事移植に際してもやはり同じ理由はあったりする……そう、2020年4月現在は「球詠」という女子野球アニメが放映されていて、何だか最近女子野球アニメ密かにブーム?みたいな印象もあります。

 

これら2作品と比べると、キャラデザやスポ根的内容など「プリンセスナイン」に古さがあるのは否めない、それでもこの作品の熱量や素晴らしさは今のアニメファンにも十分届くものではないかと信じたい想いはおそらくテリーさんも同じではないかと思うわけですが、そのあたりからまずお聞きしてもよろしいでしょうか?

 


球詠」のキービジュアル、初めてみたんですが構図がなかなか面白いですね…


「プリンセスナイン」は、女子のスパッツが何だかいいですねぇ…

 

 

テリー・ライス
テリー・ライス

そうでしたね。投稿のタイミングとしてはたまたまタイミングが合ったというか(笑) 執筆の話をいただいてから書き上がるまでずいぶん時間がかかってしまって、こちらとしては申し訳なかったのですが…。

 

八月のシンデレラナイン」はソシャゲ原作、「球詠」はマンガ原作という違いはありますけども、自分の印象としては女子野球作品といっても「美少女もの」というのが先に立っているイメージがありますかね。

 

どちらかというと対戦相手が同性同士、あくまで女子スポーツものとして描かれているので、飛躍して考えると「美少女部活動もの」ジャンルの一種としての趣を強く感じています。その中での少女たちのドラマを描いているといいますか。「プリンセスナイン」との大きな違いはまずそこにあるのかなと思います。

 

「プリンセスナイン」は同じく野球を題材にしていますが、物語の構図として「男子主体の競技スポーツ(野球)に女子チームが乗り込んでいく」所が先の二作品とは一線を画すものでしょう(※もっとも「八月のシンデレラナイン」はアニメ版とソシャゲ版で物語が異なるようですが)。

 

甲子園出場という大義名分の上に、身体的・状況的なアドバンテージを抱えた主人公たちが置かれている境遇を打破して、どうやって試合に勝つのかという野球マンガの定番プロットに倣っているので特異な設定が際立ち、その相乗効果によって作品の熱量や勢いが生まれている(矛盾した言い方ですが、荒唐無稽さを生み出すために逆算して設定を作っているような印象も受けます)。

 

描きの古さは正直否めませんが、定番を外さないからこそ生まれるカタルシスを違った角度からアプローチして上手くオリジナリティに昇華できた作品なので、今見ても返って新鮮に感じられるのではないかと。

 

 

八月のシンデレラナイン(全12話)
市立里ヶ浜高校に通う有原翼は、野球部のないこの学校に「女子硬式野球部」を立ち上げる。そこに集うのは、野球にはじめて触れる少女や、一度はプレーをあきらめた少女、高い壁に挑み続ける少女……。時にぶつかり、競い、支え合って、里高女子野球部は青春を駆け抜ける!世界で一番あつい夏がはじまる――

 

球詠(全12話)
埼玉県、新越谷高校。この春入学した武田詠深(たけだ・よみ)は、そこで幼なじみの山崎珠姫(やまざき・たまき)に再会する。中学時代、受け止められるキャッチャーがいないために鋭く変化する「魔球」を投げられず、野球への気持ちをあきらめかけていた詠深。だが、強豪チームで実力を磨いていた珠姫は、詠深の変化球を受け止めることができた...

 

 

pianonaiq

ああ、その辺の「美少女もの」か否か、という捉え方は記事本文でも言及されていましたが、こうしてあらためてお聞きして「なるほど!」と腑に落ちた感じです。

 

プリンセスナイン」という作品の特色と良さ(カタルシス)の正体が何なのかについても同様、まさに仰る通りで激しく同意する他ありません(笑)

 

 作品評価を何故【名作】としなかったのか?

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pianonaiq

記事が生まれる発端ともいいますか、もともと私が「プリンセスナイン」の存在を知ったのもきっかけはテリーさんだったんですよね。

確か、数年前に私が「大正野球娘。」に大ハマりしていた時にテリーさんの呟きを読んで興味を持ち視聴、という感じだったと記憶しています。ほんとに素晴らしい作品だったんでテリーさんには今でも感謝しております。(笑)

 

まあ、とにかく凄まじい熱量と同時に巧さも感じる作品で圧倒される2クールの物語体験だった、というのが初見を終えての印象だったのですが、なので私の感覚としては作品評価を【名作】としてもよいくらいの作品かな?というのはあります。

 

テリーさんが本作の評価を【名作>良作】という風に一歩留めたあたりの理由は前々から気になっていたところなのですが…(笑)

 

 

 

大正野球娘。(全12話)
時は大正14年──良家の子女が通う東邦星華高等女学院に通う鈴川小梅に、親友の小笠原晶子が、「一緒に野球をしていただきたいの!」と声を掛けた。突然のお願いに、思わず頷いてしまう小梅。しかし、なぜ野球なのか?ルールも、使う道具も分からないのに。可憐な乙女たちの奮闘物語が始まる。「ところで、野球って、いったいどんなスポーツで...

 

「大正野球娘。」も女子野球アニメの名作でしょう!今ならdアニで視聴できます。

 

 

テリー・ライス

自分はリアルタイムでTV放映を視聴していたクチでして。それ以来、見返す手段もなくDVD-BOXが出た時も買おうと思って、タイミングを逸していたんです。そこに反応してくれたナイクさんの盛り上がりを眺めて、居ても立ってもいられず購入を決めました(笑) 

それで久々に見たらやっぱり面白くて、立て続けに三周もした所で書いてみませんかと話をいただいた次第です。

 

pianonaiq

執筆依頼の流れはそんな感じでしたよね…。

 

いや、当時のテリーさんの感想は本当に楽しく読ませていただいていたのですが、「さ、三周もすげえ、流石だ…」という驚きもありました(笑)

 

ただ、この作品って、前にもいいましたけどほんとに伏線といいますか、細部までしっかり作りこまれていてそれがストーリーなりキャラの掘り下げとして積み重なっていきその後のエピソードに活きてきたり、というのが多いんで、そういうところを丁寧に追いながら見たいとなると割と2周3周余裕で出来てしまう作品かなという印象はありますかね。

私も時間があれば今でも見返したいという気持ちは強いですし(笑)

 

 

テリー・ライス

本作の評価を【名作>良作】としたのは、単純に「作品としては完結しているけど、物語の先が明確に存在している」という一点に尽きますかね。

 

もちろん作品単体としてはものすごく面白いので【名作】認定してもなんら問題はないし、あの最終回を見てしまうとこれ以上の展開があるのか?とも思わなくはないんですが、やはり高校一年目で終わってしまっているのが残念で。

 

当時、最終回見た後も、「まさかこれで終わりじゃないよね?」って本気で思ってましたから。個人的には涼たち如月女子ナインの二年目、三年目を見たかったという思いが未だに強く残っているのがこの評価を定める要因ですね。良い作品ではあるけど、同時に作品の魅力に未完成の美が強烈に含まれているからこその薦めづらさは少なからずあると思ってます。

 

記事にも仄めかしていますが、伏線が張られてそのままになっているものがちらほらあるんですよね。例えば吉本ヒカルの父親の件だとか、真央のキャッチング技術が未熟なせいでの球種はストレート(とイナズマボール)のみで、投げられるはずの変化球を試合では投げてなかったり。

 

これらは一例ですが細かく見ていくとキャラクター背景の余白が意外とあったりするので、ファンの心理としては続きを見てみたい!と思ってしまいますが、それは最早叶わない事ですし。

 

仮にアニメの続編が万一決まったとしても、今のデジタル作画で見たいとはあまり思いません。そうなるとこの作品の肝でもある音楽も変わってしまう事も当然ありえるわけで当時と同じテイストが出せない事が目に見えている以上、続きが見られなくても仕方ないかなと。それこそ小説や漫画で続編が出てくれれば嬉しいんですが、今のアニメでは本作の味は出せないと思いますので。

 

あ、ちなみに「大正野球娘。」はマンガ版派です(笑) アニメとはキャラクター付けや展開が違っていて、自分の肌に合うのはこちらの方ですね(描いてる漫画家さんのファンというのもありますが)

 

 

pianonaiq

ありがとうございます。作品評価の理由、そういうことだったのかと納得しました。

 

仰る通り、最終回のとてつもない感動と満足感、と同時に先への期待感みたいなものは確かにある作品ですよね。

 

自分の場合は、この二つを天秤にかけた時、先にテリーさんが仰っていたように「女子が男子に本気勝負で勝つ難しさをいかに克服できるか」的なところを作品テーマと同時に面白さの軸に置いた作品であるので、仮に続編をやったとしてネタ的に同じ手は使えない難しさもあるでしょうから、2クール作品としての魅力が集約されたような終盤のクライマックスの盛り上がりと並ぶか超えるようなものを果たして作れるだろうか?というところで不安の方が大きい感じですかね。

 

それでも続きがあるなら是非見てみたいと思う作品ですが、いずれにしても、デジタル作画でやられても見たくないというのは自分も同意見ですし、残念ですが続編の可能性はゼロと考えるべきでしょうね…。

 

大正野球娘。」、マンガ版も機会があれば是非チェックしてみたいです(笑)

 

テリー・ライス

よく分かります。自分も見返していて、この最終回以上の展開を出すのは難しいなと思いましたし、変に続けられるよりはここでやりきって終わっているには妙な清々しさもあって、有無を言わせない満足感があるのも確かですよね(笑)

 

なお以下リンクは「プリンセスナイン」の漫画版を手掛けられた、たかみね駆先生の創作裏話まとめです。

 

『プリンセスナイン』制作当時の裏話

 

これによれば、原作者の伊達憲星先生の中では最終回以降の物語も構想にあったそうで。ありえたかもしれない展開として興味深い内容となってます。

そこまで詳細な内容ではありませんが、続編構想の存在証明と想像を膨らませる材料として紹介しておきます。

 

 ほとんど完璧に近い2クール作品?

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pianonaiq

次に、「プリンセスナイン」の作品内容についてもう少し踏み込んだお話が出来ればと思います。

 

まあ色々素晴らしい作品ですけど、繰り返しになりますが特に脚本(構成)は本当に秀逸な作品だったかなと。テリーさんも記事本文で触れられているわけですが、キャラそれぞれに目配せがあり全ての出来事がつながっていて無駄なエピソードが一切ないのは驚きですし大きな称賛に値するものだろうと。

 

ここには卓越した上手さはもちろん制作陣の大きな作品愛なども感じるわけですが、私の中では脚本面においてはほとんど完璧に近い2クール作品だという印象もあります。

 

 

テリー・ライス

脚本というよりはシリーズ構成の妙、という方が正しいのかもしれません。

 

プリンセスナイン」はオリジナル作品ですが原作者がきちんといて、その上で別の人間がシリーズ構成や各話脚本を担当されています。

 

記事本文でも触れていますが、脚本として特に奇抜なことや目新しいことをしているわけではなく、先ほども話したように特定ジャンルの定番プロットを作品設定に合わせて、上手く料理しているのが作品の大きな強みではないかと。

 

例えるなら、この作品におけるシリーズ構成や脚本はモータースポーツにおけるメカニック的な立場なのでしょう。

原作という「設計図」がまずあって、映像という「マシン」の原動力である「エンジン(脚本)」にTVアニメシリーズという「レースコース」と合わせたチューンアップを施す役割を担っている。もちろんレースの進行状況を見て臨機応変に対処しなければならない、自ずとテクニックが必要となってくるセクションです。

 

本作はその辺りを見極める目端がとても利いていて、情報の捌き方や展開の取捨選択をかなりクレバーに判断している、と素人目には感じています。カード(情報)の切り方が絶妙といいますか。

描き方は大小さまざまですが、メインキャラを筆頭にサブキャラに至るまで、それぞれにドラマ(人生、と言っていいのかもしれません)があり、作品のメインストーリーに並行して進んでいるイメージがあります。

 

個人のドラマが支流となって、メインストーリーという大きな主流へと結びついていく。その主流への関わり方は人それぞれだけど、物語の中での役割があって描かれているんですよね。その役割に伴う試練と成長もきちんと描かれているのが、展開に無駄の無さを感じる所以なのでしょうね。無論、マンガチックな荒唐無稽さのある設定なので、そこは考慮に入れた上で、という前置きは必要ですが。

 

どこまでがシリーズ構成と脚本家の領分なのかは判断が付かない部分もありますが、そのような匙加減の塩梅やキャラクターをどのように物語へ関与させるか、といったエピソードの引き出しが多い印象を持ちます。

 

本作のシリーズ構成である丸山比朗さんがネットで出てくる経歴を見る限りでは、アニメよりもTVドラマをメインに活動されていた方のようなのでそこのノウハウが活きているのかもしれませんね。

 

pianonaiq

シリーズ構成の丸山比朗さんの力は大きそうですよね。TVドラマをメインにと聞いて何だか頷けるところもありますし。

 

ドラマ畑の脚本家、というと思い出すのは2017年の「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」での大石静さんの仕事ぶりなどですかね。確かこの時期、珍しく深夜アニメ作品にドラマ畑の脚本家が割とこぞって参加していたような記憶もあるのですが、ドラマ畑の人の作品って何だか質が高くて当たり作品が多いようなイメージもあったります。

 

 

神撃のバハムート VIRGIN SOUL(全24話)
ここは、《人》《神》《魔》あらゆる種族が入り混じる神秘の世界ミスタルシア バハムート復活による世界崩壊を免れてから10年─── 新たな《人》の王は《神》の神殿を襲い《魔》の国を攻め落とした 壊滅寸前だった状況からの復興と更なる発展 王都は《人》に富をもたらす 王都復興の糧として奴隷となる《魔》 消えゆく信仰心により力を...

 

「最強のフルオーケストラ劇伴」

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pianonaiq

「最強のフルオーケストラ劇伴」、という少々大袈裟にも感じる表題は私の方で付けさせていただいたものですが、ここからはテリーさんも100点をつけられている本作の音楽の素晴らしさに話を移したいと思います。

 

余談として「深夜アニメの歩き方」に過去投稿された記事の中で劇伴に100点が付けられた作品は本作以外だと「銀河英雄伝説」「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」「トップをねらえ!」「CLANNAD 〜AFTER STORY〜」の4作のみとなってます。

 

採点含めて私の意見もテリーさんとほぼ同じで、

  • 音楽単体として取り出した時の楽曲の素晴らしさ
  • 映像と合わさった時の化学変化的な魅力
  • この音楽以外だと間違いなく別作品になってしまうという確信

というだいたいこの3点で100点つけてもよい作品という感じですかね。

 

因みに、テリーさんは洋楽など音楽全般に大変お詳しいですが、意外と?アニメの感想で劇伴について熱心に触れられている印象がないというのもありまして、今回の記事で劇伴についてどのように語られるのかには凄く興味があったのですが、本文の語りと100点をつけられていたことには納得感とともに驚きも少しあった感じです。(笑) 

 

 

テリー・ライス

自分がアニメ劇伴にあまり言及しないのは、アニメに限らず映像作品において音楽は映像に付随してくるもの、あるいは場面の雰囲気や情感を彩ったり、増幅させるものであるという認識が強いからですね。もちろん好きな劇伴作家はいますけども、その人の個性だけで、映像の良し悪しが決まるわけでもないので。

 

だからより映像に対しての合致を求めている所はあります。作品や映像のトーンを決める強い力が音楽にある以上、そのコントロールも不可欠でしょう

 

部屋のインテリアを選ぶ時に、部屋にそぐわないものや場所を取るものを選ぶより、生活や環境に即したものを選び出すように、作品に寄り添いつつもさりげなく、時には強く主張できるものが自分にとっては最良のあり方なのかなと思っています。

 

音楽、特に劇伴は作品の装飾品だと思いますので、物語や描写以上に目立ってしまっては元も子もありません。印象深い旋律は作品のシーンを見る者の心に刻み込みますが、そればかりが劇伴の役割ではないですよね。

 

場面のムードを表したり、感情を喚起させるための「音素材」としての側面もあり、映像と合わさることで音が意味を持つという場合も多々あるのではないかと。劇伴をあえて「鳴らさない」演出で場面が引き立つということもあるわけですし。

映像に対して音にメリハリがある作りが好みなんだろうなとは思います。

 

……といった風に映像と音楽はセットと考える所があるので、作品そのものを無視してサントラ単体で聞くというのはあまりないです。もちろん例外はありますが、それは作曲者の個性が自分の好みであるのが大きいですかね…。個人的には作品を気に入った上で、音楽が好みであればサントラも買う感じです。

 

pianonaiq

なるほど。劇伴は作品の装飾品である、という考えはもちろん自分もわかります。どちらかというと私の場合はテリーさんと比べたら作品と切り離して音楽単体に目を向けてしまう傾向が強いかもしれませんが(笑)

まあでも、劇伴なんかは結構人によって好みや演出に対する考えに大きな差が出そうな要素かもですよね。

 

ところで、もしよろしければ、テリーさんの好みのアニメ劇伴作曲家サントラを購入した(いと思う)アニメ作品について幾つか教えていただけますでしょうか?

 

 

テリー・ライス

好きなアニメ劇伴作曲家というと、中川幸太郎さん(「プラネテス」「GUN×SWORD」)、言わずもがなな大野雄二さんとかでしょうか。

ジャズが好きなのもあって、ジャジーなテイストの楽曲が書ける人に傾向が寄ってる感じですね。橋本一子さんとかもそうです。

 

他に持っている人で言えば、鈴木さえ子さんだったり、菅野よう子さんだったり。ただ菅野さんはジャンル幅広くやっている分、作品によっては自分の中で当たり外れがあって、「カウボーイ・ビバップ」の音楽は嫌いではないけど、個人的には「WOLF’S RAIN」の方がより内容冴えているなあ、という風に思いますね。

 

この他に持っている作品になると

  • 「極上生徒会」
  • 「Lupin the Third 峰不二子という女」
  • 「REDLINE」
  • 「スペース☆ダンディ」
  • 「ファンタジックチルドレン」
  • 「KURAU Phantom Memory」
  • 「Classroom☆Crisis」
  • 「マインド・ゲーム」
  • 「大江戸ロケット」
  • 「AKIRA」
  • 「少女革命ウテナ」
  • 「STAR DRIVER 輝きのタクト」
  • 「キャプテンアース」
  • 「少女☆歌劇レヴュースタァライト」
  • 「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」
  • 「星合の空」

などがありますね。思いつく限りではこの位、でしょうか。後は主題歌シングル買ったりなどしてます。

 

最近聞いた中では実写映画がまもなく公開される「とんかつDJアゲ太郎」のサントラがとても良かったです。16年にショートアニメとして放映された作品ですが、サントラも原作のテイストを上手く抽出した良作でしたね。

 

最近注目してる人だと、高橋諒さん(「ACCA13区監察課」など)や、寺田志保さん(「ヒーリングっど♥プリキュア」)辺り、でしょうかね。

牛尾憲輔さんもチェックしてる作品に来たら、嬉しい方の一人かと。「魔法使いの嫁」の音楽されてた、松本淳一さんも良かったなという印象があります。

 

欲しい作品で言うと「うる星やつら」、大山のぶ代版の「ドラえもん」、田中公平さんの担当した藤子アニメ作品高木洋さんの担当したプリキュアシリーズMONACAが手がけているアイカツ!シリーズや「戦国コレクション」辺り。

 

あと完全に作曲者目当てですが、サントラに結構なプレミアがついてしまっている「機巧奇傳ヒヲウ戦記」も欲しいところです。

 

それとここまで語っておいてアレなんですが、恥ずかしながら「プリンセスナイン」のサントラをまだ揃えてないので、きちんと揃えておきたいですね。近作だと「天気の子」も欲しいですね。

 

プラネテス(全26話)
主人公ハチマキ(星野八郎太)はサラリーマン。宇宙ステーションでデブリ(宇宙ゴミ)回収を仕事にしている職業宇宙飛行士だ。自分の宇宙船を手に入れるため、同僚のユーリやフィーらとデブリを回収する日々。今年で4年目を迎えた25歳、そろそろ自分の生き方を考え始めてきた。そんな折、ハチマキの働くデブリ課に新入社員が配属された。彼女...

 

ガン×ソード(全26話)
それは、宇宙の底にある、おとぎの国・・・。荒野に夢、街に暴力があふれる、ボンクラ達の理想郷・・・。人呼んで、惑星・エンドレス・イリュージョン。流浪の男、その名はヴァン。さらわれた兄を追い求める少女・その名はウエンディ。荒野の果てに、一人は絶望を、一人は希望を見つめ、二人は今、運命の旅へと踏み出すのだった。

 

とんかつDJアゲ太郎(全6話)
東京・渋谷の片隅にある一軒のとんかつ屋「しぶかつ」の3代目・勝又揚太郎は、家業のとんかつ屋を手伝っているものの、本腰を入れることもなく、日々をダラダラ過ごしていた。そんなある日の閉店間もない頃、出前を任された揚げ太郎が届けた場所は、1軒のクラブだった!町内会の盆踊り大会よりも自由度が高く、ストレスフリーな空間の虜になっ...

 

 

pianonaiq

橋本一子さんというとやはり「ラーゼフォン」ですが、自分がアニメ(音楽)にどっぷりハマるきっかけにもなった作品のひとつですねぇ。未見ですが、山口洋さんが音楽を手掛けた「機巧奇傳ヒヲウ戦記」も気になります。

 

アニメサントラに関しては、自分も関心の高い領域ですので、ここはもっと話を掘り下げたい!ところですが、本筋からそれてしまうのでグッと堪えそれはまた今度別の機会があれば、ということにしておきましょう(笑)

 

でも、テリーさんのこうした劇伴趣味についてツイッターでも興味を持たれている方は割と多いのでは?というのもあるので、今回こうしてお聞き出来てよかったです。ありがとうございます。

 

というわけで話を「プリンセスナイン」に戻しましょう。

 

ラーゼフォン(全26話)
21世紀初頭の東京。母子で暮らす高校生・神名綾人は、模試会場に向かう途中に突如上空に現れた謎の航空部隊の攻撃に遭遇した。破壊された街で、綾人は自分の描いた絵に酷似した風景の中で、不思議な少女・美嶋玲香に出逢う。玲香に導かれるようにして地下鉄に乗り、神殿にたどりついた綾人は、卵から巨大な人型の存在「ラーゼフォン」が出現す...

 

機巧奇傳ヒヲウ戦記(全26話)
時は幕末、三河の国の蓬莱村にからくり技術を使う“機の民”がいた。一族の少年ヒヲウは、好奇心旺盛な8歳の少年。ある日彼は、からくりの使い方で長老に叱られ、家を飛び出してしまう。村の神社にやってきたヒヲウは、ご神体で巨大からくりロボットの炎(ほむら)を見つける。丁度その頃、蓬莱村は風陣と呼ばれる忍者集団の襲撃に見舞われ、機...

 

 

「機巧奇傳ヒヲウ戦記」のサントラは、なるほど確かに2枚目の方は1万超えてますね…

 

 

テリー・ライス

プリンセスナイン」の音楽はナイクさんも評価されているポイントに尽きるわけですが、同時にこの当時の、このタイミングでしか成立しえなかったものという印象も強く、その点からも切っても切り離せない、強い結びつきを感じますね。

 

題材にもよりますが、現在のTVアニメでも打ち込みではないフルオーケストラの劇伴というのが少ない(※全く無いわけではない)のもあり、生演奏の音の分厚さを押し出している点にはある種、稀少さも感じてます。

 

これもメリハリ感といいますか、オーケストラ演奏とは別に日常描写などで使用されている当時らしいシンセサイザー演奏の劇伴とのギャップ感が激しいのも、「プリンセスナイン」の音楽の特徴かなと思います。そんなドラスティックな落差が作品内容とも合致してるのもあって、なくてはならない音楽という印象を強めていますね。

 

オーケストラ劇伴、強烈なインパクトを残す楽曲ばかりで「プリンセスナイン」以外での使い道がなさそうなのも、作品との結びつきの強さを物語っているように思えます(笑)

 

pianonaiq

私なんかは、思い返せば1話から既に映像、音楽、物語の三位一体攻撃的な力に圧倒されて訳もなく泣いてましたけど(笑)、中でもリッチでゴージャス極まりないオーケストラ劇伴の存在感にはやっぱり特別目を引くものがありましたよね。

 

でまた、テリーさんが仰るように、本作の音楽は生オケ劇伴だけが魅力じゃなくて、例えば氷室いずみ(テリーさんの推しキャラ?)が登場する場面で決まって鳴る「いずみのテーマ」的立ち位置のチェンバロ劇伴なんかも、アカデミックでありながらキャラのイメージにそぐう雰囲気作りにも貢献していて尚且つ音質もすこぶる良いといった感じで。

 

話していてだんだん思い出してきたんですけど(笑)、「プリンセスナイン」の劇伴はワルシャワフィルの生音を使ってる、という事実以上に特別音質の良さが際立っている印象もあって、その奏者の感情を余すことなく伝えるような音の良さ故に余計に心に沁みてくるような感覚も強かったんですよね。

 

コーラス風の劇伴なんかも凄く秀逸で好きな楽曲だったんですけど、傷ついた心を優しく撫でるようなコーラスがこれまたとても良い音質で厳かに鳴り始めた時、物語の展開・場面と完璧に合致してるのでまあとにかく染みると…

 

まだまだ他にも良い曲はありますし、音楽が効果的に使われた名場面なんかもありますけども、きりがないのでここまでにしておきます(笑)

 

氷室いずみ

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

 

テリー・ライス

物語と音楽のシンクロ率が高いからこそ、音楽の存在感も強く出ている作品ですよね。展開の大仰さを強く印象付けるために、力負けしない劇伴を、と考えると当然の選択かもしれません。

 

いずみというよりは、涼といずみの関係性が好きなんだと思います(笑)キャラクターは大体好きですよ。

 

早川 涼

引用元:(C)1998 伊達憲星/フェニックス/NEP21

 

「嘘だろ、本気で?頼むよ!?…」

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pianonaiq

最後に、「今のアニメファンにこの作品が果たしてどう観られどういう評価を受けるのか」という最初の話に戻りたいと思いますが、やっぱりスポ根的な作風や大仰な展開、キャラデザ、セルの質感など時代(古さ)を感じさせる部分は懸念材料になってしまいますかねぇ。

 

この点でいうと、テリーさんがお勧め話数としても挙げられている17話の展開などは象徴的というか、今のアニメではまず見かけなくなったぶっとんだ展開が凄まじ過ぎるの一言になりますが(笑)

 

こういう展開は昔のアニメでは割とあったとも思うんですが、それでも「プリンセスナイン」におけるこの展開の入れ込み方はやっぱり絶妙で、結末がわかっていても「嘘だろ、本気で?頼むよ!?…」みたいな極度の興奮状態に陥らされて、個人的にはもう激しく涙腺崩壊、特に印象に残る大好きな話数です(笑)

 

テリー・ライス

個人的に17話はかなり計算高く狙ってきているエピソードという印象がありますね。

 

物語前半のいずみが抱える母親の不信との対比で、が降って湧いて出た亡き父親への疑念(翻って彼女の野球への情熱)に苦悩するエピソードでフラストレーションを溜めに溜めて、いずみ(とチームメイトたち)が涼を繋ぎ止める事で一掃させる。

 

展開自体は大仰もいいところですが、そこまでの展開を清算できてしまう一石二鳥、三鳥の荒業を見事に振り切ることが出来るスタッフの豪腕っぷりがやはり凄いなと。

 

17話に限らず、作品全体に思い切りの良さがあって、例えば21話のヒキとか(笑)、反対に勢い余って、ある展開を端折りすぎてしまう4話なんてのもあるわけですが、ドラマの流れを優先するためにその場の勢いとテンションで押し切った結果、作品特有の豪快さが生まれているようにも思えますね。

 

8話17話とか、スタッフの熱気が大仰なドラマの渦に巻き込まれて暴走して、描写が突き抜けてしまっているんですが、ドラマの流れとしては必然性が保たれているので、妙に納得させられてしまうんですよね。特に17話はそういった作品の魅力が凝縮された話数だと思います。

 

この作品の大仰な物語運びスポ根的な描写は当時から見ても昭和の雰囲気が強かったように感じますし、最初にも言ったように「野球マンガ」の定番プロットを女子チームでやるという、一点突破な設定なのでリアリズムや整合性もある程度殺してる作品だとは思います。

個人的には「ベタな筋立てを新鮮に見せるためにどうやってズラして魅せるか」というのが主眼に置かれているので、わりとパロディ的な素養が求められている作品なんですよね。その辺は「トップをねらえ!」とも共通している所で。

 

プロットのベタさから作品としての「真(しん)」を彫り出していくタイプである以上、「野球マンガ」の定番を下敷き(パロディ)にした描写などの古臭さは否めないでしょう。

またセル画の質感各話ごとにバラつきのある作画についても同様で、現在のデジタル作画の方法論を試行錯誤し始めた時代の作品なのでそこを現代の視点から懸念を示してしまうと難しいと思います。

 

むろんネタ的な扱いでゲラゲラ笑いながら見てもらってもそれは構わないのですが、過去作を今の目線からしたり顔で語るのもなにかおかしな話ではあります。

 

古いアニメを見る場合はもはや「歴史」を見るのと同じような感覚になっていて、「古い」ということを認識した上で、なにが面白い(興味深い・新鮮)かを感じ取る必要があるのだと思います。

作画やキャラクターデザインも流行り廃りがあって、時代とともに移ろいやすいものですし、当時はなにがスタンダード(主流)だったのかを知るのも大切でしょう。

 

それらを踏まえると「プリンセスナイン」は非常に時代のあだ花なんですよね。メインストリームからは少し外れているというか。

この作品の平成(という時代の)らしさは「昭和の野球マンガの展開を女子チームで繰り広げる」というパロディ的な組み合わせに尽きるわけで。ある種のサブカル的な遊び心の上に成り立っている作品だとも言えます。

 

世に送り出される時期が少し早くても、遅くても「プリンセスナイン」の作品らしさは生まれてこなかった。しかし次の時代へと繋がる種を蒔いているとも見る事は可能です。

 

何かが固まり切る前の、雑多で混沌とした要素が含まれた過渡期の作品。本作の荒唐無稽さが引き起こす、いわゆる「超展開」も理詰めで構築されていて、大昔の作品から感じられるもっとプリミティヴ(直感的)なものとも違うニュアンスがあります。それは後年の作品たちが時代とともに取捨選択していったひとつの可能性なのでしょう。過去の作品群を見る醍醐味も、その辺にあるのではないかと思います。

 

 

今のアニメファンが見た時にどのように感じるのかを、紹介する側が詮索する必要はあまりないとも思います。

 

放映から20年以上経った作品ですから、その年月の間に可視化された視点からこの作品を見るのは多分、新たな魅力や当時は気づかなかった点を照らしてくれるものだと信じています。

 

まあ、なんとなしに見て面白かったと感じてもらえるのが、作品としては幸せなのではないかと。興味を持つきっかけとして、この記事が役立っていれば幸いです。

 

pianonaiq

最後の締めとしてふさわしいご回答をいただけたので、もう私が語る必要はないでしょう……というわけで、対談は以上となります。

 

テリーさん、長い時間お付き合い頂きありがとうございました。

 

最後までお読み下さった読者の皆様にも感謝です。

 

 


執筆者 : テリー・ライス (@terry_rice88

 

 

プリンセスナイン 如月女子高野球部(全26話)
NHK-BS2の「衛星アニメ劇場」枠で1998年4月8日から10月14日まで放送(全26話)。女子高校に新設された硬式野球部の9人が甲子園を目指す物語。

 

 

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コメント

  1. 井汲 景太 より:

    大変に力の入ったレビューで、楽しく読みました。個人的には脚本には割と不満を感じる部分も多いのですが、それをねじ伏せんばかりの勢いで迫ってくる熱量のある作品で大好きです。
    サントラCDは、フェニックスのサイトの直販コーナー
    http://www.phoenix-ent.co.jp/products/
    から買えないでしょうか。ここが発売を始めたのは2005年だったので、現在は機能してないかもしれませんが…。

    • pianonaiq pianonaiq より:

      井汲さん

      お読み下さってありがとうございます。
      サントラCD、なるほどこんなサイトがあるとは知りませんでしたので情報に感謝いたします。
      なんか他にも随分珍しいCDが手に入りそうなサイトですが問題は機能してるかどうかですね…。

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